一方、元部長を職安通いさせた企業は、数年前に買収され社名も消えた。もちろん、彼の離職と直接因果関係があるわけじゃない(おそらく)。

 だが、彼のように中期キャリアの危機に遭遇し、「成長したいという願望」を募らせる人たちは実際に多い。特に悪評高き“バブル世代”は、自分たちとは違う価値観や教育を受けてきた若手を目の当たりにし、「このままじゃ、ヤバい」とある種の危機感を抱いている。

 彼らは自己投資したところで評価もされない。
 いったいどうやって、前向きに仕事に取り組めばいいのか?

社会人学生が会社に求めている支援とは?

 企業と従業員の意識のギャップは、数字でも明確に表れている。

「社会人の大学等における学び直しの実態に関する調査研究報告書」によれば、
 社会人学生が職場に対して希望する事項として、

  • ・「修了資格を評価する配慮」(46.6%)
  • ・「授業のある時間帯は早退や休みを認める」(41.5%)
  • ・「授業料の補助」(28.9%)

であるのに対し、企業側は、

  • ・「授業料の補助」(46.1%)
  • ・「授業のある時間帯は早退や休みを認める」(38.3%)
  • ・「修了資格を評価する配慮」(17.0%)

 で、いかに企業が学び直しを「職場で生かす」ことに期待していないかを伺い知ることができる。出典はこちら

 人への投資は一夜にして実感できるものではない。だが「スキルアップが必要」という気持ちを信じ、彼らにチャンスを与えれば、必ず“力”になる。企業は年齢で「使えない」と線引きするけど、どれだけで論文を漁っても「50代が使えない」という実証研究には未だにたどり着けないわけでして。

 実に残念。ホントに残念である。

 おそらくそんな“先輩や同僚たちの姿”を社員たちは見ているからなのか、冒頭のランスタッドの調査では、もうひとつショッキングな数字が報告されている。

 ご覧のとおり、日本の労働者の83.7%が「時代に遅れをとらないためにスキルアップが必要」と回答し、グローバル平均(72.1%)と比べ意識が高かった。にもかかわらず、「自己負担でのスキルアップの実施意欲」については、33の国中で日本は最下位(42.2%)。

 そうです。またもや最下位。グローバル平均の67.7%より25ポイントも低下してしまうのである。