「健康」は社会の問題なのに…

 WHOの健康の定義は、なぜ生まれたのか?

 戦争という人間の起こした行為が奪った、人間の幸せ、人生の豊かさ、それを取り戻すために、先人たちが考え議論し、第二次世界大戦後の1946年7月、61か国の代表により署名された(1948年4月7日より効力が発生している)。

「健康は個人の問題じゃなく、社会の問題。人権であり、個人を尊重すること。それを追求する義務がアナタたちにあるんですよ」

 と戦争でたくさんの人たちの命が失われた反省もこめ、世界各国に呼びかけるために理想を掲げたのだ。

 精神的、社会的とは、具体的には次のような意味が込められている。

•孤立や対立がないこと
•居場所があること
•サポートが得られること
•役割があること

 そして、これらに満足している状態が健康であり、人が「人」であるための大切な土台だとしたのである。

 さらに1970年代に入ってからは、上記の定義に「スピリチュアル」な側面を加えるモデルが提唱されるようになった。

 スピリチュアルは日本語では霊的と訳されるが、ここでは「人生に意味や方向付けを与えるもの」を意味する。

 生きていれば大変なこともあるし、自分ではどうしようもない病に襲われることもある。そんなときに「人生に意味を与えてくれるもの」が存在すれば、それだけでホッとする。ちょっとだけ元気が出る。

 つまり、健康と不健康はコインの表と裏ではなく一本のレールでつながっていて、不健康状態に引っ張られる事態に遭遇しても、それを健康に引っぱり返す「元気になる力」を手に入れることこそが「健康」であるというメッセージを強める意味が、「スピリチュアル」には込められているのである。