みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
忘年会シーズンたけなわでございます。この時期は年末27日まで、土日も含めて全ての夜が隙間なくビッチリと埋まっておりまして、尿酸値が大変なことになっています。
別に手帳を黒く埋めて喜ぶタイプではないのですが、本業のリーマン稼業の義理事と、フェル業のお付き合いを重ねていけば、どうしてもこうなってしまう訳で、こればかりはどうにもなりません。この時期にしか会えない方もおられますし、タイヘンタイヘンと言いつつも実は大いに楽しんでも居る訳でして、ビバ日本の師走、というところであります。
私は全ての宴席で、「まったくフェルはよく食べるな」と必ず言われます。
またそう言われることをとても嬉しく思っています。
ですが今回ばかりはやられました。完全にノックアウトです。
「♪紳士服のコ・ナ・カ」でお馴染み、
株式会社コナカの湖中社長と。ギャル曽根も裸足で逃げ出す驚愕の胃袋を持つ男。
湖中氏と日本橋に有るステーキの名店「誠」にご一緒したのですが、まあよく食べること食べること。牛刺から始まる「湖中スペシャル」で、4品目辺りでしょうか。ビーフカツが出た頃には既にイイ感じにお腹が膨れていたのですが、店の大将は大きなサーロインの塊から、やおら分厚い肉を切り始めた。
ステーキハウスなのにステーキが出ないと思っていたら、これからでしたか……。大食いで知られる私も既に満腹状態。
え、これからステーキですか……と思わずごちた私に、湖中氏は「あれ?フェルさんどうされました。これからですよこれから。」と一言。
いえ、あの、どうされましたと言われましてもですね……。
結局大きなサーロインは食べきれずサンドイッチのお土産にして頂き、更に続くフィレは泣く泣くご辞退申し上げました。湖中さんはサーロインをフィレもペロリと召し上がり、更に大盛りの炒めご飯まで平らげるのでした。このまま負けたままではご先祖に申し訳が立たないので、年明けに敗者復活戦に挑みたいと存じます。湖中さん。お覚悟を(笑)
こちらは気楽な内輪の飲み会です。フジテレビのNET TV「ホウドウキョク」のキャスターを務める鈴木さんと、日能研関東の小嶋社長。小嶋くんは最近ジムに通い始め、わずか3カ月でボテ腹を見事に引き締めて居られました。トライアスリートでもある鈴木さんは相変わらずの引き締まったボディ。すっかり腑抜けた私が一番ダメじゃないですか。毎週言っていますが、そろそろマジで走ります。
こちらは賑やかなTarzan編集部の忘年会。真ん中でみんなに指を指されているのは、この度めでたくDeNAに転職が決まったWELQ氏(本名不詳)。
転職が決まり、結婚もし、楽しい新婚旅行から帰ってきたら、転職先が大炎上。いわゆるひとつの“まとめサイト休止問題”であります。彼はこれらのサイトの品質向上のためにDeNAに就職したのですが、今のところ殆ど全てのサイトが休止しているという体たらく。真っ当な書き手を集めてコツコツと信頼回復に努めるしか道は無いと思いますが、それにしてもすごいタイミングで転職するものです。頑張って下さい。
さてさて、それではボチボチ本編へと参りましょう。
ここしばらくは顔出しOKのユーザーインタビューが少なかったですからね。
しかもセレナのように新しいクルマは、ユーザーを見つけ出すのが本当に難しい。
今回は誠にラッキーなことに、トライアスロン仲間がプロパイロット機能付きのセレナを購入していたのでした。早速お話を伺いましょう。
マツダのお店に行っても「はぁ?」とか言われてしまい
今回セレナのユーザーインタビューにご登場いただくのは千葉に移住したばかりの蔵本夫妻。私が所属するトライアスロンチームのチームメイトだ。
ご主人の浩一君、奥様の理枝子さんともにドクターのエリート夫婦である。ちなみに浩一くんはご両親ともにドクターで、理枝子さんのお父様もまたドクターである(お母様はフジテレビの元祖局アナ)。やはり医者の家の子は医者になるのである。
アルファードからセレナに乗り換えた蔵本夫妻。ご主人の浩一くんは、広島の大会で私との勝負に負け、焼肉をご馳走してくれた人物である。来年はどの大会で勝負するか現在協議中である。
インタビューの機会は突然に訪れた。蔵本家に3人目のベイビーが生まれ、そのお祝いがてら、館山までドライブに行った時のことだ。待ち合わせの海沿いのレストランに何とピカピカ新車のセレナが停まっているではないか。
F:あれ、外に停まっている白いセレナ。あれコーイチの?
浩一さん(以下、浩):はい。この前買ったばかりです。フェルさんにもいろいろ相談に乗って頂いていた、例の。
そういえば蔵本夫妻から、「次のクルマをどうしましょう」と相談を受けていたのだった。二人はアルファードに乗っていたのだが、そろそろ乗り換えたい、と次なるミニバンを探していたのだ。
浩:フェルさんにはマツダのプレマシーを薦められたのですが……。
F:うんうん。確かに薦めた。ミニバン最強の足回り。どうしてプレマシーにしなかったの?
浩:あのクルマ、古くてどこにも売っていなくて……。マツダのお店に行っても「はぁ?プレマシーですか、あれは古いですからねぇ、他のクルマにしたらどうです」とか言われてしまって(苦笑)
理枝子さん(以下、理):それに、「もうマツダはミニバンを作りませんから」、とも言われました。それって本当なんですか。
F:自動車専門誌なんかにはそう出ていたね。広報の人は「ミニバンから撤退するなんて一言も言っていない」とは言っているけれど、当面は我々がイメージするような、“所謂ミニバン”の形での計画は無いみたい。ところでまた、どうしてセレナに?前のアルファードなんて、まだ5年も乗っていないだろう。
浩:2年ですね。実は千葉の館山、鴨川の辺って、道がとっても狭いんです。幹線道路は太いのですが、一本裏に入ると、すれ違うのも大変なくらいに狭い。まだ車検はたっぷり残っていたのですが、アルファードでは大き過ぎる。
ウチは3人目の子供もできたから、当分はミニバンじゃないと不便です。しかし大き過ぎるのは使い辛い。ミニバンの形で、アルファードほど大きくなくて、使いやすく装備が充実しているクルマ……と消去法で選んでいくと、最終的に残ったのが、このセレナだった、という訳です。
F:なるほど。ところで前のアルファードはいくらで売れたの?
浩:ビッグモーターで250万円です。他とは軽く40万は違いましたね。走行距離は6万キロを超えていましたが、ビッグの人が、「アルファードなら過走行でも右から左ですから」って笑っていました。
中古車は、走行距離が5万キロを超えると「過走行車」と呼ばれて査定価格がガクンと下がるといわれている。いくら車齢が2年とは言え、この査定額は桁外れだ。恐るべしはビッグモーター。高額査定の看板に偽りは無かったのだ。しかしこのクルマ、店頭にはいくらの値段で並ぶのだろう。いくらなんでも高過ぎだよなぁ……。
そういえば中古車界隈は全くのノーマークだった。新車情報も良いが、クルマ社会の一翼を担う中古車の世界も少し覗いてみる必要があるだろう。今度取材に行ってみよう。
「自動運転は、もう完全にSFの世界です」
F:あのクラスだと、トヨタのノア・ヴォク(ノア・ヴォクシー)、ホンダのステップワゴン、と強力な対抗馬が有るけれど、どうしてセレナにしたの?何か決定打になったという要素は有るかしら?
浩:やはりプロパイロット機能ですね。あれが一番刺さりました。すごいですよあれは。ハンドルに手を添えていなければいけませんが、本当にハンドルが勝手にクルクル動くんです。もう完全にSFの世界です。初めて乗った時は、それはもう本当にビックリしました。
意思決定の決め手となったプロパイロット機能。このスイッチを押して起動させるのだ。
理:ええ。あれは本当に凄いと思います。自動運転のハンドルを動かす力って、とても強くて、あのグッグッてハンドルを持って行かれる違和感がとても新鮮です。何か昔の自動車教習所の教官みたい(笑)。習っている時に、「そうじゃないよ!」って怒鳴られて、横からハンドルをグッと引っ張られたりしたでしょう(笑)
F:ははは。セレナのステアリング補助は教習所の鬼教官。これは面白い。
確かに昔の教習所の教官はタチが悪かった。私が一番初めの実車教習の際に受けたアイサツは、「高校生かよ。ケッ。結構なご身分だな」であった。
浩:フェルさんこれから試乗するんですよね。驚きますよきっと。これが未来のクルマだって、きっと感動しますよ。ともかく僕らがセレナに決めた一番の理由は、間違いなく自動運転です。
F:そんなに凄いんだ。楽しみだな。
恐らくここで蔵本夫妻に散々吹きこまれたから、プロパイに対する私の期待は過剰になってしまったのだ。
前号でプロパイを厳しく叩きまくった原因は、この取材に有ったのかも知れない。
浩:あとは横のドアが、ドア下に足を差し入れただけで、自動でスーッと開くんです。お店で見せてもらった時は、「こんな機能は意味ないよねー」とハイテクの無駄使いを笑っていたのですが。実際に使ってみると、これが非常に便利です。
子供がいると、荷物で両手が塞がっているシーンがよく有るんです。今まではどうしていたのかな。いったん荷物を地面に置いたり、膝で荷物を支えて変な体勢で開けたりしていたのでしょうか。便利が当たり前になると、前の不便さを忘れてしまうんですよね(笑)
理:この自動ドアに関しては、私はちょっと異論ありだな。だって私がやると開かないんですもの。浩一くんだと普通に開くのだけれど、私が足を入れても開かないの。
理枝子夫人が足を入れてもピクリともしないスライドドア。背中から怒りが伝わって来る。リエチ、機械も人を見るのだよ(笑)。
二人は実際に私の目の前でドアを開ける実験をして見せてくれた。確かに浩一君が足を入れると、ピピッと反応してドアが開くのだが、理枝子夫人がいくら足を左右に振っても、ドアはピクリともしないのだった。
ところが浩一くんが足を入れると瞬時に反応しドアが開く。ま、ドアは毎回コーイチ君が開けて差し上げなさい。
「これを作った人って、絶対に子育て真最中の人ですよね」
理:だいたい私、日産のエンブレムが嫌いなの。真ん中に「NISSAN」なんてドンと入れちゃって、あのセンスが信じられない。あんなことをするメーカーなんて、他には無いでしょう?
F:えーとどうだっけな。トヨタはTの字をモチーフにした昆虫マーク。ホンダはH、マツダもやはりMを象っている。
浩:ダイハツもDだし、スズキもSですね。頭文字のローマ字表記が多いな。
F:BMWはどうよ。「BMW」とバーンと書いてあるぞ。ポルシェもフェラーリもランボも、小さくだけどエンブレムに社名が入っている。
浩:ボルボも真ん中に大きくVOLVOって書いてあるね。丸の中に横棒があって、その上に社名が記されていて……、ちょっと日産に似ているかも知れない。いずれにしても、社名をドン入れるのは日産だけじゃ無いみたいだね。
理:ガイシャは良いの。カッコイイから(笑)
F:なんじゃそりゃ(笑)
理:でも冗談じゃなくて、今までこのマークが掲げてあるお店に入ろうという気にはなれなかった。今回もセレナを見に行く用事が無かったら、お店に入ることは決して無かったと思います。
「NISSAN」のエンブレムがお気に召さないという理枝子夫人。
F:ふーん、エンブレムってそんなに大事なんだ。あまり気にしたことが無かったけど。
理:ありますよ。女性はけっこうそういうところが有ると思います。セレナは使いやすくて運転しやすくて、とてもいいクルマだと思うけれど、このエンブレムがクルマのイメージを台無しにしていると思います。これさえ無ければなぁ、って本当に思う。
エンブレムのデザインが気に入らない、という話は初めて聞いた。
まあでも会社のマークばかりは簡単に変えられるものじゃありませんからね。どうしてもイヤなら外しちゃって下さい。
理:でも最終的には本当にこのクルマにして良かったと思います。後ろのドアのガラスの部分だけが開くのもとっても便利。実際に後ろのドア全体を開けなきゃならない機会って、それほど多くないんですよね。いまは殆ど上の方のドアだけを使っています。
それからシートが大きく前後に動くのもすごく良い。下の子はまだ小さいから、チャイルドシートをしたら一番前に寄せておくんです。こうしておくと、泣いてもすぐにあやせるの。これを作った人って、絶対に子育て真最中の人ですよね。そうでなければ、ここまでの使い勝手は絶対に実現出来ないと思う。
母親視点の「きめの細やかさ」という意味では、アルファードの数段上を行っていると思います。
小さく開くバックドアがお気に入りの理枝子夫人。「ベビーカーは横から入れちゃうし、最近使うのは殆ど小さい方ですね」と。
「プラス20万円でこれだけラクなら、本当にお買い得」
F:そうだね。アルファードはもう少し上の年代の人が乗るイメージだね。最近は役員車でアルファードを使う会社も増えているんだ。もはやチャイルドシートを付けて、乳母車も載せてって感じのクルマじゃ無くなったね。
浩:子供を乗せて館山自動車道からアクアラインを使って東京に行く機会が多いのですが、今は殆ど自動運転のスイッチを入れたままです。すごく運転がラクです。疲労度は半分以下の印象です。
セレナに乗って初めて分かったんですが、高速で必死に追い越したりして走っても、実は到着する時間って殆ど……というか全く変わらないんですよ。飛ばすだけリスクが増して損って言うか。これね、オプション設定なんですが、絶対に付けたほうが良いです。プラス20万円でこれだけラクが出来るなら、本当にお買い得だと思います。
「あたしたちもせれながすきでちゅ」。蔵本家だんご三兄弟。やっぱり真ん中の子は強い(笑)。
3人の子育てを楽しみつつ、仕事にトライアスロンにと充実した毎日を送る蔵本夫妻。セレナのウリであるポイントを正しく理解し、正しく使いこなしている印象でした。ここまでキッチリ使ってくれれば、エンジニアの方も本望でしょう。
さてさて、来週はその開発エンジニアにお話を伺います。
私がプロパイを多少厳し目に書いた後のインタビュー。記事もお読みになっておられることと存じます。如何なる展開となることやら。
お楽しみに!
自動車の予防安全性能評価、今年度上半期の結果は?
こんにちは、ADフジノです
さて、セレナに搭載されるプロパイロット機能ですが、フェルさんにも何度も口うるさく言ってますが“自動運転”ではありません。あくまで“運転補助”です(笑)。
この“プロパイ”は、一般的な用語で言えば、前走車との車間距離を一定に保ちながら追従してくれる「ACC」(アダプティブ・クルーズ・コントロール)と車線をカメラで認識し、逸脱しようとするとステアリングを操作して車線維持を行う「LKA」(レーンキープアシスト)を組み合わせたもの、ということになります。
実はこれらの機能は、すでにボルボでは全モデルに標準装備しており、またメルセデス、BMW、アウディ、VWといったドイツメーカーをはじめ、欧州車ではあたり前のものとなっています。日常的に長距離を走るかの地では、トラックやバスにもこの機能が多く採用されています。一方、日本メーカーでこの分野で先行していたのは、スバルです。2014年に「アイサイト」が現在のバージョン3に進化した際には、ステアリングアシスト機能が追加されています。
ではなぜいまセレナが注目されているのか。それは販売台数の多い比較的安価な量販ミニバンに、コストのかかるこれらの運転補助機能を搭載したから、ということに他なりません。その効果は絶大で、セレナは今年10月の新車乗用車販売台数ランキングではなんとプリウス、アクアに続く3位、11月も7位と、大ヒットとなっています。
ちなみにまだACCやLKAなどまでは評価項目に含まれていませんが、平成26年度から国土交通省と自動車事故対策機構(JNCAP)は、前方車両に対する自動ブレーキや車線逸脱警報装置等、事故を未然に防ぐ先進安全技術を搭載した自動車の予防安全性能評価を行っています。先日、平成28年度(前期分)の評価結果が発表されたので、ここに紹介しておきます。
平成 28 年度(前期)予防安全性能評価結果(アクセラ)
なんとトップの常連であるスバルをおさえて、ハイスコアを獲得したのは、マツダアクセラでした。
また先日、新型マツダCX-5が発表されたのですが、懸案だったACCの作動速度の下限が従来の30km/hから完全停止まで追従する0km/hになりました。自動ブレーキに端を発した、これらの機能の民主化に拍車が掛かることは間違いありません。今後登場する新型車にとってあたり前の機能となり、メーカー間の差別化はどんどん難しくなっていくでしょう。そして、その先の技術に本当の意味での“自動運転”があるのかもしれません。
マツダ新世代商品群の第一弾として2012年に登場したCX-5が、第2世代へモデルチェンジ。洗練度のあがった魂動デザインはもとより、Gベクタリングコントロールの搭載や安全性能など全方位で進化を遂げた。発売は2月の予定で、現在、全国で
先行展示イベントが行われている
この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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