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勝って初めて見えてくる世界

:やっぱり勝たないと始まりません。正直今日のレースを見ていても、トップ3チームの速さは尋常じゃない。あんなラップは出ない。レース中に。いや、出せって言ったらウチだって出るかもしれません。でもそんなラップをレース中に出したら出したで、タイヤへのストレスもあるし、違う次元になってしまう。クルマの車体のレベルもあるし、まずは勝って、初めてそのPUに課せられた課題がクリアになってくるんじゃないかなと僕は思っています。

F:勝って初めて見えてくる世界があると。

:6位とか7位で完走してポイントを取れたらもちろん嬉しいことなんだけど、でもまだ「勝つ人」とのギャップが大きいじゃないですか。「このギャップって何なの?」っていうのを突き詰めるには、(1位になった)彼らのデータは我々の手元にはないわけだから。自分たちが積んでいくデータで勝って、初めて「何がリスクで何がアドバンスか?」というものが見えてくると思うんですね。だからまず何としてでも1回勝たなきゃいけないんです。

F:勝つと言えば、来季ホンダはトロロッソに加えてレッドブルと組んで4台体制になります。レッドブルはルノーのPUを捨ててホンダと組むことになる。ルノーのPUでもそこそこ勝てているのに、ホンダと組むのはどうしてなんでしょう。誠に残念なことですが、ホンダのPUは現段階ではレース優勝という結果が出ていない。そのホンダと組むのはリスク以外の何物でもないと思うのですが、どうしてレッドブルはホンダと組むのでしょう。

:レッドブルにはものすごく感謝しています。我々を選んでくれたのは、やっぱりレッドブルの人たちが私たちの可能性に懸けてくれたのだと思います。僕らは後発で、今回のレギュレーションが全て決められてから開発しています。一方で他のメーカーは、レースが始まるずっと前から……大体3年ぐらい前からレギュレーション(開発ルール)の議論をしているので。

トロロッソ・ホンダの来シーズンのドライバーは、ダニール・クビアトとアレクサンダー・アルボンに決定した。

 さあさあ、いよいよ生臭い話になってまいりました。

 2回で終わろうと思っていたのですが、山本さんのお話、面白すぎるので収まり切りませんでした。F1っていろいろ“見えないところでの戦い”があるんですね。このお話は次号に続きます。

 それではみなさんごきげんよう。さようなら。