「生産では国産扱い、販売やCOTYでは輸入車扱いなんです」

F:124スパイダーはフィアットで組まれたエンジンをイタリアから運んできているんですよね。で、クルマ自体のアッセンブルは日本で行う。日本で売る124はマツダの工場から直で来るんですか?まさか一旦イタリアに返すとか。

:さすがにそれは無いです。マツダさんの工場からディーラーさんまで直送です。ジープもほかのフィアットも、輸入車はみんなそうなのですが、1回輸入をして、陸揚げ拠点があって、VPCといわれる新車整備拠点があって、全ての輸入車はみんなそこを1回経由してからディーラーさんに行くんですよね。

 ですがこの124はそのプロセスが有りません。マツダさんの工場でいわゆる完成検査ラインも含めて取って、完成形にされた状態でディーラーさんにそのまま運ばれて登録されるんです。

F:これは輸入車にカウントされるのかしら。JAIA(日本自動車輸入組合)の扱いになるんですか?

:入りません。日本自動車工業会の扱いになります。JAIAではなくJAMAですね。作る方の台数カウントはJAMAになります。

 ですが販売台数となるとまた話が違ってくる。販売の方は日本自動車販売協会連合会(自販連)です。こちらはブランド毎なので全部合算されてカウントされます。例えば日産さんのマーチなんかは、輸入車だからJAIA扱いなんですが、自販連でいくと日産ブランドという…。

F:マーチは日本で売っているのもタイ製だから、自工会、JAMAの台数には入らない。なるほど。これは興味深い。

:自工会は日本で生産したという切り口なので、124スパイダーはこちらの数字に入ります。ですが自販連はブランド別のデータだから外国車に入ります。それでもJAIAには入らない。COTYはブランドという発想なので、カー・オブ・ザ・イヤーはインポート扱いになる。妙な話ですが、輸入してないのにインポートカー・オブ・ザ・イヤーになる可能性もある(笑)

:面白いですよ。私はこの業界に入って、もうすぐ20年になりますが、こんな面白いクルマの担当はしたことがないです。そして、こんな面白い作り方をするクルマは、もう当分出てこないんじゃないかと思います。

:そういえば、内外価格差が逆転しているというのも初めてです。このクルマは、日本で買うのが世界で一番安いんです。

F:確かに産地直送の輸入車ですからね。日本で買うのが世界一お得。これはタイトルになるな(笑)。いや、今日はありがとうございました。面白い話をたくさん伺いました。

 FCAのブランディングとアバルト124スパイダーの“輸入”に関わる裏話、お楽しみ頂けましたでしょうか。イタリアンデザインにジャパンメイドという、思えば世界最強の組み合わせ。窓も落ちなきゃエンコもしない。おまけに燃費も良いとくれば、これは十分検討に値するでしょう。とりあえず試乗車に乗ってみて下さい。幌を開ければ違う世界が見えてきます。


 さて、来週は久々に日産車のお出ましです。

 「やっちゃえ日産」と永ちゃんは仰いますが、はてさて、最近の日産はどうなっているのか。お楽しみに!

"兄弟"ロードスターに魅力的な二の矢、三の矢

こんにちは、ADフジノです

本編にも少し話が出てきましたが、2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤーの季節がやってきました。現時点では、全35台のノミネート車の中から、最終選考会に進む上位10台の「10ベストカー」が選出されています。実はその中にしっかりと、アバルト124スパイダーもノミネートされています。

その他の顔ぶれは、スバルインプレッサスポーツ/G4、トヨタプリウス、ホンダフリード/フリード+、日産セレナ、BMW M2 クーペ、アウディA4シリーズ、ジャガーF-PACE、メルセデスベンツEクラス、ボルボXC90、と今年は輸入車勢が目立ちます。

最終選考会は今週9日の予定です。昨年のイヤーカーがマツダロードスターでしたから、今年のインポート・カー・オブ・ザイヤーをアバルト124スパイダーが取れば、ある意味2年連続受賞なのですが、果たしてどうなりますか。

一方で、ベースとなったロードスターにも魅力的な二の矢、三の矢が放たれています。

まず、来年から日本でも「グローバル MX-5カップ」が始まります。これは2006年にアメリカでNC型を使ってはじまった本格的なワンメイクレースで、ドライバー育成プログラムの1つとして、将来的にはツーリングカー部門へステップアップを目指す登竜門的なカテゴリーに位置付けられています。

とてもユニークなのが、各国の上位ドライバーが一堂に集い、世界一のMX-5(ロードスター)使い決定戦が行われるということです。日本では全5戦が予定されており、チャンピオンになれば、世界一決定戦が行われるアメリカ・ラグナセカ行きの切符を手にすることができるのです。

ラッキーなことに、そのMX-5カップカーを試乗する機会がありました。マシンはアメリカ仕様の左ハンドルの2リッターモデルをベースに仕立てられた、ナンバーのつかない本物のレースカーです。車内に張り巡らされたロールケージをかいくぐるようにしてなんとかシートにもぐりこんでから、脱着式のステアリングを装着します。ダッシュボード上にあるトグルスイッチでイグニションをオンにして、スターターボタンを押すと、野太い音でエンジンが目覚めます。エンジンはノーマルだそうですが、吸排気系がチューニングされており、レスポンスはビンビンです。

そして何より注目なのが、専用のスリックタイヤを履くこと。プロの先導車付きの約10分ほどの試乗で、とてもスリックタイヤの限界域を知るよしもなかったのですが、それでもまあ乗りやすくて、まあ楽しい。思わず笑いが出ます。ナンバー付きの「パーティレース」用レース車両NR-Aも合わせて試乗できたのですが、あちらはあくまで市販ロードスターそのものであるのに対し、こちらは足回りもブレーキもそして安全装備の面でも正真正銘のレースカーなのだということを強く感じます。

車両価格は788万4000円(税込み)。年間5戦のランニングコストは約240万円、これにエントリーフィーや輸送代などが必要になります。ただ、自分でいちからクルマを作ることを考えれば決して高くないと思います。カップカーといえば、ポルシェ911が一番有名ですが、あちらはこの何倍もの予算が必要ですし、1人が難しければ、友人とシェアしてはじめてみるのもいいかもしれません。

車両はアメリカのLongRoadRacing社によって、約6週間をかけて製作される。2リッターエンジンの出力は157ps/201Nmとノーマルと同等だが、コントロールユニットや吸排気系、オイルクーラー、ラジエター、マウントなども強化されている。また専用の車高調整式サスペンションやブレーキなどをはじめ、ジャングルジムのようなロールケージ、セーフティウインドウネット、自動消火器などレーシングカーならではの安全装備を備える
車両はアメリカのLongRoadRacing社によって、約6週間をかけて製作される。2リッターエンジンの出力は157ps/201Nmとノーマルと同等だが、コントロールユニットや吸排気系、オイルクーラー、ラジエター、マウントなども強化されている。また専用の車高調整式サスペンションやブレーキなどをはじめ、ジャングルジムのようなロールケージ、セーフティウインドウネット、自動消火器などレーシングカーならではの安全装備を備える
乗員の乗降性を高めるためにステアリングは脱着式に。メーターもレース専用のデジタルメーターとなる。6速ミッションは、基本はオリジナルのまま3速、4速のみ強化ギアが用いられ、オイルクーラーが備わる。車両の販売に関する問い合わせは<a href=" http://www.cusco.co.jp/products/mazda_global_mx-5_cup.html" target="_blank">キャロッセ</a>まで
乗員の乗降性を高めるためにステアリングは脱着式に。メーターもレース専用のデジタルメーターとなる。6速ミッションは、基本はオリジナルのまま3速、4速のみ強化ギアが用いられ、オイルクーラーが備わる。車両の販売に関する問い合わせはキャロッセまで

そして、三の矢といえば、「ロードスターRF」が正式に発表されました。RFはリトラクタブル・ファストバックの意味で、ベースの幌のかわりに電動開閉式ハードトップを備えます。またNC型のように屋根全体が格納されるのではなく、Cピラーが残るフェラーリのスーパーアメリカを彷彿とさせる流麗なデザインのボディに、アメリカ仕様と同じ2リッターエンジンを搭載する、よりラグジュアリィな位置づけのモデルとなりました。

発売は12月22日なのですが、事前に少し試乗する機会がありました。これがまたいい。エンジンと電動ルーフによって重量が約80kg増えたことによるメリットもあるようで、操舵感はよりしっとりと落ち着いたものになっています。2リッターエンジンも劇的な速さや派手なエンジン音はありませんが、気持ちよく吹けあがります。ルーフを閉じればクーペとかわらぬ静粛性で、剛性感も少しあがったように感じます。インテリアにブラウンのナッパレザーを用いたグレードが用意されるなど、より上質な雰囲気です。

ルーフはフロント、ミドル、リアの3つのパネルとバックウインドウによって構成される。格納は約13秒と激速で、10km/h未満であれば走行中の操作も可能。タルガトップとは異なり、オープン時はバックウインドウもリアに格納されるため、よりオープンカーに近い感覚が得られる。ソフトトップモデルと同等のトランク容量を確保しながら、リアデッキはまさにクーペさながらの低さを維持しており、またぎりぎりまで切り詰められたボディとルーフの隙間にエンジニアのこだわりが見てとれる。車両価格は324万円から
ルーフはフロント、ミドル、リアの3つのパネルとバックウインドウによって構成される。格納は約13秒と激速で、10km/h未満であれば走行中の操作も可能。タルガトップとは異なり、オープン時はバックウインドウもリアに格納されるため、よりオープンカーに近い感覚が得られる。ソフトトップモデルと同等のトランク容量を確保しながら、リアデッキはまさにクーペさながらの低さを維持しており、またぎりぎりまで切り詰められたボディとルーフの隙間にエンジニアのこだわりが見てとれる。車両価格は324万円から

個人的にもいつかはNDロードスターを買いたいと思っているのですが、両者ともにど真ん中に的中。ますます悩ましい2モデルが登場したというわけです。

この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

セミナー開催 フェルディナント・ヤマグチ流「部下育成」!

 本コラムの著者、フェルディナント・ヤマグチ氏が「日経ビジネス課長塾オンデマンド」主催のセミナーに登壇します。

 今回、課長塾オンデマンドではあえて、「企業人としてのヤマグチ氏として、登壇してください」とお願いしました。なぜならヤマグチ氏は、「コラムニストとの両立」という多忙な生活を、20年もの長きに渡り成立させてきた人だからです。本セミナーでは、そんなヤマグチ氏ならではの(仕事についての)方法論に迫ります。

 とはいえ講演時間は、わずか1時間。そこで今回は、「部下育成」にテーマを絞って話していただきます。部下やチームのマネジメントにお悩みの方は、ぜひご参加ください!






>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。