アルファロメオのライバルはBMWやメルセデスになる

「アルファロメオはプレミアムブランドへ脱皮します」(マーケティング本部 プロダクト マネージャーの海谷さん)
「アルファロメオはプレミアムブランドへ脱皮します」(マーケティング本部 プロダクト マネージャーの海谷さん)

F:例えば記者会見などで、「どうしてアルファでなくフィアット・アバルトにしたんですか?」という質問が出たら、公式見解としては何と答えるのですか。FCA本体からの公式見解は何ですか?

:そこのところは「ディスカッションしないように」、という一言です。

F:何ですか。東芝みたいだなそれじゃ(笑)

:同じ質問をFCAの本体にぶつけたら、きっとこう答えると思います。「2014年の5月に発表した、アルファロメオの新しいブランドおよび商品ストラテジーをご参照ください」と。

 FCA的には、最初にアルファでやると発表した件と、その後で発表したアルファのブランドストラテジーをつなぐ線という物が正式にはないんです。もちろん僕ら、何度も何度も本社に頼みました。頼むから理由をキチンと発表してくれと。日本はマツダさんのホームカントリーですから、ほかの国々とはプレッシャーが違いますから。

F:確かに。日本は特別ですからね。ロードスター教の信者も多いし(笑)

:でもいまになれば本社の気持ちも分かります。アルファロメオはアウディ、メルセデス……あ、これはもう話して良いんですよね?

:はい。大丈夫です。

:アルファロメオは、アウディ、メルセデス、BMWと対抗するブランドにしますと。

F:おー!

:アルファはそういうブランドに転換していくんです。

F:すると、このロードスターのアーキテクチャーだと力不足であると。

:力不足ということでは有りません。そういうブランド戦略に上書きされた、ということです。

F:上書きですか。なるほど、上書きね。

:そう。上書きです。

F:来年の連載から僕が素顔出して、名前も漢字にして、「山口太郎の走りながら考える」に変えるような感じでしょうか。「あれ?あんたフェルさんでしょ?」と言われても、いえいえ私は山口です。今年からこのように上書きされました、と。なぜフェルを止めたのかと言われたら、それは昔のヤマグチなる人物に聞いて下さい、と(笑)

:うーん。例えがあまりにも乱暴です。少しニュアンスが違うと思います(苦笑)

F:アルファロメオがBMWやメルセデスと対抗し得る、プレミアムブランドに脱皮しようとしている事は理解できました。それではFCA全体はどのようになるのですか。グループとしてのFCAは。

:6つの箱が有ります。アルファだったり、マセラティだったり、ジープだったり。ダッジなんかも有りますね。この前私も本社で初めて資料を見たのですが、地球儀が書いてあるブランドが3つだけ有るんですね。マセラティとアルファロメオとジープです。これらは世界中で売るグローバルブランドだよ、という意味です。だから右ハンドル車も作るし、AT車も作ると。逆に言うと、他のブランドはそれぞれの国のインポーターの判断に任せると。売っても売らなくても良い。

F:はー。するとフィアットは……

:右ハンドルでATを作るには、フィアットブランドは入れる輸入国の負担で作ってください、と。

F:つまりは輸入国がコストを負担して、責任持って売ってね、と。

:はい。その通りです。日本には本来フィアットを入れても入れなくても良いんです。FCA的には。必ず輸入しなければいけない、マストのクルマでは無いんですね。フィアットの500Lが日本にないのは、実はそういう事情が有るのです。

F:はー。なるほど。面白い、というか厳しい。

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