F:ダイハツのタント、なるほど。あとはトヨタのポルテ……と、あれは軽じゃないか。
古:ポルテはピラーレスというか、そもそも助手席側の後部ドアがないんです。大きなスライドドアが1枚あって、それがガーッとイッキに開くんですね。
高橋マンちゃん:昔はトヨタにアイシスってミニバンやラウムというハッチバックがあって、パノラマオープンドアと称したピラーレスのスライドドアを採用していました。ドアにセンターピラーが内蔵されていたんです。
F:アイシスね。ローマ字表記が「ISIS」。イスラム過激派組織を車名にするんだから、トヨタもすごいよなぁ(笑)。
マイトのY:はいはい余計なこと言わない。
F:モサドの英語の正式名称もISIS(Israeli secret intelligence service)だぞ。ダブルですごい(笑)。
マイトのY:クルマの話をしろってんだよ!
左右の重さは違っても大丈夫です(笑)
古:センターピラーがないと、骨格の強度が下がり、側面衝突に対する安全性の確保が難しくなります。だからN-VANでは、前後のドアフレームに1.5GPa級のハイテン材を内蔵させてピラーの代わりにしています。ホンダだけでなく、全てのメーカーで1.5GPa級の材料を軽で使ったのは、このN-VANが初めてです。
F:1.5GPa級のハイテン材をドアの中に仕込んで剛性と強度を確保した。でもその分重くなった。助手席側のドア、ということは左側のほうが重くなりませんか。
古:そうですね。左右で言うと、N-VANは助手席側のほうが少し重いですね。
F:えぇ! 重量は左右均等ではない? それで大丈夫なんですか。
古:大丈夫です。というか、日本で売っているすべてのクルマの中で、左右の重量バランスがピッタリ取れているものなんて1台もないですよ(笑)。みんな重さは左右で微妙に違います。
F:マジすか……。
古:マジです(笑)。そもそも成人男性が1人運転席に乗っただけで、もう右前が60kgも重くなるんですよ。軽自動車の重量はせいぜい1トン前後。人が一人乗っただけで6%も右前が重くなる。それでも普通に真っ直ぐ走れるよう我々は設計していますので。
F:なるほど。ところで古舘さんは、N-VANの開発責任者に就任される前は何をやっておられたのですか?
古:私はずっとマフラーをやっていました。「先行開発」と言ってクルマ全体を見るようになったのは、初代N-BOXのときからです。
Powered by リゾーム?