一般受けを狙っているんじゃないか

:「安心安全」を標榜すると、やっぱりSUBARUも一般受けを狙っているんじゃないか、と言われてしまいます。でもそうではありません。我々は安心安全を求めてアイサイト一本足ということではなく、昔から事故ゼロを目指して開発を進めてきたんです。走りを極めれば、回避性も上がって安全なクルマになるんです。

:やっぱり安心と楽しさというのをね、僕らは追求していきたい。

F:安心と楽しさ。とても重要なことですが、下手をすると相反することと理解されてしまいがちです。

:決してそうではない。両立できます。SUBARUはクルマを通して安心と楽しさを提供します。じゃあ、クルマの持つ意味とか意義って何ですかというと、やっぱりいつでもどこでも安心に移動できる。移動したいときに移動できるということですよね。電車やバスとは違う。クルマの機能の一番の大きなところ。安心と楽しさを、クルマを通してお客様に価値として提供する。

F:なるほど。安心と楽しさを「クルマ」という形で顧客に提供する。

:そう。そのときの一番ベースとなる車がインプレッサです。SUBARUのエントリーカーですからね。それをよりリーズナブルな形で世界最高の技術のレベル、我々クルマ造りの好きな者が集まった最高のレベルを、一番リーズナブルな価値で提供したいというのがインプレッサだと思います。

F:私は特段のSUBARU信奉者という訳では無いのですが、それでもやはりSUBARUが安全第一のクルマ、というイメージではなかったですね。やはりSUBARUというと、走りが第一という。

:それではSUBARUの安全に対する考え方をもう少ししましょうか。これはウチにとってとても大事なことなので。たくさんの人に読んでもらえるフェルさんの記事で、少しアピールしておきましょうか(笑)。

F:どうぞどうぞ。この機会に存分にアピールして下さい(笑)。

:SUBARUの安全というのは、まずゼロジ安全の「視界をよくしましょう」というところから始まります。これは中島飛行機のときから一貫しています。クルマはやっぱり実視界を良くしなければいけません。

F:ゼロジ安全って何ですか?

:一次、二次の0次です。「ゼロ」ですから、動き出す前の安全。「ドライバーがシートに座ったときから安全は始まる」、という考え方です。具体的に言うと、動き出す前から安全な着座姿勢が取れる。そして視界が良い。見えるか見えないかって、とても大事なことですよね、安全上。走る前からの安全、それを僕ら0次安全と呼んでいます。

F:なるほど。確かにこれは重要です。

:次にアクティブセーフティー。走り始めてからの安全、走りながらの安全です。具体的に言うと、AWDだとか、シャシー低重心だとか、シャシー自体がしっかりしているとか、そういうことです。あとはトルクベクタリングと言って、コーナリング時に、ブレーキを内側のタイヤにちょっとだけキュッとかけてやるんです。そうすると外側のタイヤがキュッと曲がりやすくなる。XVは全車入っています。ベクタリングでグッと回っていると、内側にキュッてブレーキをかけてくれるので、頭がクッと回る。だからより安全に回りやすくなる。

 キュッとかけてクッと回る。だんだん長嶋茂雄さんの話みたいになってきた。

F:なるほど。今度はそれが一次安全になるわけですね。

:一次安全とは言わないですね。アクティブセーフティーと呼んでいます。それからプリクラッシュセーフティー。これはアイサイトとか後側方レーダーとか先進安全装備でドライバーに安全を知らせる機能です。要はぶつかる前のケアですね。そして最終的には、万一ぶつかっちゃっても安全だという、パッシブセーフティー。今までは自動車で「安全」と言うと、このパッシブセーフティーの発想ばかりだったんです。それよりも、そもそもぶつからなきゃいいじゃんって。ぶつからないように安全に走れれば、その方がずっと良いじゃんっていうのがSUBARUの発想です。