恐怖の社長命令「俺の横に乗りな」

F:技術交流というと、何かを教えたり教わったりする訳ですよね。このGRMNに、何かBMWから得たエッセンスは入っているのですか。

:有りません。このクルマは、あくまでもトヨタがニュルブリクリンクの活動などを通して得て来たノウハウを注ぎ込んで実現したクルマです。そうして出来上がったクルマに、BMWさん、ちょっと乗ってみる? とお誘いして乗ってもらっただけの話です。

F:具体的にはどんな話をするのですか、BMWの役員さんとは。表敬訪問的な試乗だと、あまり突っ込んだ話は出ない気がしますが。

:一番印象に残っているのは重量の話ですね。これは何キロに仕上がってるの?1250キロです。えー?1250キロ?俺は1100キロくらいかと思ってたいた、と。すごく軽く感じると。

 彼らと話すと、具体的な数字がスラスラ出て来るんですよね。そしてみなさん運転がものすごく上手い。BMWは運転が上手くないとそもそも役員にはなれないらしいです。みなさんテストドライバー並みに上手いです。

F:トヨタの役員はどうなのですか。トップの章男さんはレースに参加する程ですから世界の自動車メーカーの経営者の中でもトップクラスなのでしょうけど、他の役員さんはどうなのですか。経営は上手いけど運転は下手っぴとか(笑)

:実はウチの役員も、徐々に上手くなっているんですよ。社長がメチャ上手いから「お前ら、乗っているか?」と役員にハッパをかけているらしくて。

 今は新任の役員になると、サーキットに来なさいと社長に呼び出されて、「俺の横に乗りな」と言って、ビャーっとやっているらしいです(笑)


 何と、トヨタで役員になると、章男社長のドライブによるサーキットタクシーの洗礼が待っているらしい。レーシングスピードに慣れていない人が乗ると(大抵の人は慣れていないだろう)腰を抜かすほどビビるはずだ。今回私もプロのテストドライバーのヨコに乗せて頂き、サーキットを3周ほど全開走行して頂いたのだが、掌にジンワリと汗をかいたものだ。

本当に、ビビリます。

 トヨタ86GRMNの開発秘話は次号へと続きます。
 これ、街中で乗っても楽しいだろうなぁ。広報に交渉してみましょうか。

 それではみなさままた来週!

「アクア」の強力なライバル、登場!

読者のみなさんこんにちは。編集担当のY田です。

開発が急速に進む次世代環境車。ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)など様々な種類がありますが、現在、日本で最も普及しているのは、言わずもがなのHVです。その代表とも言えるのはトヨタ自動車のプリウス。今年上半期(4~9月)の新車販売台数(軽自動車を含む)では、他を大きく引き離しての首位でした。

HVにおいては、トヨタやホンダの存在感に比べ、日産自動車の影が薄いのは否めないところ。その日産が、「反撃の狼煙」ともいえる新しい技術を搭載した新型「ノート」を発表しました。同社によれば、最高燃費は37.2km/Lで、トヨタの「アクア」を抜き、小型車セグメントで国産車トップになるとのこと。

低燃費を可能にしたのが、日産が「e-POWER」と名付けた新動力機構。エンジン・モーターの双方を搭載していますが、エンジンの役割は発電に特化し、大出力モーターのみで駆動する仕組みです。HV車に比べるとエンジンが動く時間が約半分になり、燃料消費を抑えられるというのが、同社の説明です。エンジンを積んでいるためEVではありませんが、駆動がモーターに限られる分、HVに比べればEVにより近づいた動力システムだと言っていいでしょう。

初採用の「ワンペダル操作」を含め、挑戦的な技術を盛り込んだノート。駆動はモーターで行うため、乗り味もEV車とほぼ同様となります。HVで先行するトヨタやホンダを脅かす存在となりうるでしょうか?

日経ビジネス11月7日号では、「日産「第2のEV」で狙うブレーキ革命」と題して、ノートに込めた日産のエコカー戦略をリポートしています。ご興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください(日経ビジネスオンラインの無料会員の方は、無料ポイントを使ってお読みいただけます)。