:ディーラーの先にいるお客さんは、軽バン使いのプロですからね。実際に「乗って使う」という意味においては、我々より何段階も上を行っています。だから納得していただいた後はもう“勝手に”、こうやればもっと積める、こうしたほうが効率がいいぜと、どんどん工夫してくれちゃうんです。クリニック……我々は内覧会をこう言うんですけれど……クリニックでお客様を集めてパッケージモデルをお見せしたりすると、最初は戸惑っておられるけれども、途中からお客様同士で、いや、こうした方がいいぞ、こうしたらもっと積める、なんて我々を無視して勝手に積み方工夫大会を始めちゃうくらいで(苦笑)。

F:ははは。お客さん同士で勝手に盛り上がっちゃう(笑)。

:いやもうすごいんですよ。毎日仕事で使っている人達じゃないですか。だから我々なんかよりも全然いろいろな工夫ができるんです。実際に見て触っているうちに、アイデアがどんどん出てきちゃう。我々はそれを横で見ていて、最後に「今日はありがとうございました、そのアイデアいただきます」という感じで(笑)。

 内覧会で開発陣をシカトして積み方工夫大会。顧客同士がワイワイやる横で、呆然と立ち尽くす古舘さん達の姿が目に浮かぶ。何ともシュールな絵面ではないか。

N-VAN以外、全ての軽バンは後輪駆動

F:いいお話です。それでは次に駆動輪についてうかがいます。今までの軽バンは……というか、今でもN-VAN以外の全ての軽バンは後輪駆動です。その中で……。

:うん。ええ、そうですね。「荷物を積むところに駆動輪がある」というのが基本中の基本。貨物車の基本です。

F:貨物車の基本中の基本。

:荷物を積んだところに駆動輪があるからしっかりと走ると。だから結果的に後輪駆動というのが基本です。じゃあ、何でそれが基本と言われるのか。荷物を積むと、その重さで車体はグッと下がります、一番分かりやすいのはやっぱり坂道なのですが、坂道で荷物を積んだ側に……つまり後輪に荷重がかかると、その分フロントが浮いてしまうのではないかということですね。

F:そうですよね。リアが沈めば、当然その分フロントが浮いてしまう。FFは、その浮いてしまうフロントが駆動輪です。

:駆動輪が浮いちゃう。だから駆動力がかからなくなって、滑って上らなくなるじゃないか、と。これがフェルさんはじめ、みなさんが思っている不安ですよね。

F:不安というか、事実ですよね。実際にそうなりますよね。

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