「業界の常識」はウソだった?!

:そんなときはどうやって積んでいるかというと、隙間に差し込むんですよ。こう板を立てて、他の荷物の間に差し込んで積んでいくんだよ、と。それならば我々のでも積めるわけですよ。立てて差し込めば、コンパネも問題なく積めるんです。

マイトのY:え?ヨコだとダメでタテだと積めるんですか?

:助手席を畳めばいいわけです。

Y:ああ……。

:みんな何で「コンパネ平積み、平積み」と言っていたんだろうと考えると、我々も含めて、軽自動車のサイズを表現するのに一番いいサイズであることは事実で、それが積めると訴求してきたのも事実なんですよね。ある意味こちら(メーカー側)から「できますよ、積めますよ」と言っていたと。

Y:なるほど。「畳一枚、まるっと平積みできますよ」って、日本人には強烈に分かりやすいですもんね。

F:本当は平積みのディマンドなどそれほどなかったにもかかわらず。

:平積みしているお客さんもいますよ。いますけど全員じゃない。それに平積みじゃなきゃ絶対ダメとおっしゃる方に詳しくお聞きしてみると、実は「荷物をがーっと入れるためにベニヤ板を下に敷いているだけ」というケースが多かったんです。

F:床面カバーとして積みっぱで。

:そう。積みっぱで。その場合は一手間お掛けしてしまいますけれど、運転席の足に当たる部分を切ってしまえば済むはずです。これでパッケージの問題はまずクリアしたよね、というのが経緯です。

F:それにしても思い切りましたね。

:いや、これは正直揉めました。社内でも。なんでもいいから無理やり平積みできるようにしろということになれば、それはそれでできたのでしょうけど。さっきも言いましたが、運転席の下をこう、ちょっとすき間を空けて2~3枚でも、と。そのときは必死でそう考えていたんですけれど、でも、そんなことは実はどなたも求めてないんですよね。


 「業界の常識」だったコンパネの平積みを、「実はそれほど使われていない」と思い切りよく切り捨てたホンダのN-VAN。その結果が吉と出るか凶と出るかは、販売実績が証明しよう。

 古舘さんのお話は次号に続きます。お楽しみに!