「コンパネ」はコンクリートパネルの略称で、建築現場で多用されるコンクリートの型枠用合板を指す言葉だ。大きさは12mm厚で、3尺×6尺(910mm×1820mm)が基本。タテヨコのサイズは畳(中京間)1枚とほぼ同じである。

F:でもN-VANはコンパネを平積みできないんですよね。最大の障壁は何だったのですか?

:運転席です。平積みしようとすると、シートの足のところにぶつかっちゃうんですよ。今までのはエンジンが運転席の下にあったから、その分室内の長さが取れていたんです。でもFFレイアウトはエンジンが前にあるので、そこまでは取れない。

F:なるほど。軽には全長3400mm以下という枠がありますから、ボンネットがある分室内長が犠牲になる。

ADマンちゃん:資料によると、運転席後端から荷室後端までの長さは1585mmです。

F:それじゃあ全然無理ですね。そのままでは軽バンとしての存在価値を否定されかねない。どうされたんですか。

:我々も、最初は無理やりでもいいからコンパネを平置きで積めないか……という試行錯誤をやっていたんです。

F:実はN-VANも開発当初はコンパネ平積みをトライしていた。

「何枚かなら平積みできますが……」「何枚かって何だ!」

:していました、正直な話。繰り返しになりますが、軽バンは「コンパネが当たり前に荷室に積める」というのが価値なんです。そういう空間がありますよというのがウリになっているんです。それは我々も含めて各社とも同じです。

F:いま他社で売っている軽バンは、すべて「コンパネ平積み」ができるのですか? ダイハツもスズキもみんなそうですか?

:そうです。うん、そう。ダイハツもスズキもみんな。ですから我々も、最初は運転席の下を掘って、何枚かでも入れられるようにしようかとか、正直いろいろなことをやりました。で、それを持ってお客さんに聞きに行くと、みなさん「うーん」となるわけですよ。そもそも普通に積めないことを怒られるし。

F:「何枚か積めますってなんだ!ポンポン放り込めなきゃ意味ないだろ!」と。

:そうそう(苦笑)。だけど、それじゃどうやって積んでいるんですかと詳しく聞いてみると、実は平積みしている人なんて言うほどいなかったんですよ。

F:えー!

:コンパネに限らず建設資材を運ぶときは、大きなトラックで現場へ持っていくのが常識です。ただ「ちょっと足りないから1枚買って持ってこい」とか、「これは余ったから持って帰ろう」とか、そういうことはちょくちょくある。だから、積めないということになったらやっぱり困る。

F:なるほどなるほど。