日本で一番儲かっている自動車メーカーはどこ?


 日本の自動車メーカーで「一番儲かっている会社」はどこだろう。答えはもちろんトヨタなのだが、それが「利益率」となると話が違ってくる。今年3月の決算で、SUBARUは実に12.4%の売上高営業利益率を計上した。日本の自動車メーカーで、利益率10%超の会社はSUBARUただ一社である。生産台数はワールドワイドで100万台と少し。世界シェア1%の小さな巨人。売上高は約3兆3000億円で、トヨタの9分の1程度しかない。それなのにこの大儲けである。

 SUBARUはこれまで大変革を進めてきた。SUBARUのクルマの原点であるはずの軽自動車の生産から断腸の思いで撤退し、ダイハツ工業からのOEM供給に頼ることにした。XV、BRZ、レヴォーグ、レガシィ、そしてインプレッサなどの「一味違う」クルマに経営資源を集中する戦略を選んだ。

 12年には風力発電システム事業から撤退し、13年はゴミ収集車事業を売却した。そして今年は、汎用エンジンを製造する産業機器事業からも撤退した。まさに選択と集中である。

 そしてついにこの4月には、前身の中島飛行機が設立されて100周年に当たるタイミングで「富士重工業」の名前を捨て、ブランド名であるSUBARUへと社名を変更した。「京都にいるときゃ、忍(しのぶ)と呼ばれたの」。名前の変更には思い切りがいる。キャバ嬢が店を移るたびに源氏名を変えるのとは訳が違うのだ。

 そんなスバルが、満を持して売り出したのが、今回試乗したインプレッサである。インプレッサは、「スバルの全てを注ぎ込んだ」という“スバルグローバルプラットフォーム”を採用する第一号車である。大変なヒト・モノ・カネを注ぎ込み、SUBARU自らが「SUBARUが培ってきた知見や技術力、そして未来への意志が注ぎ込まれた、次世代のプラットフォームです」と大見得を切る、文字通り切り札である。

新プラットフォームを採用したSUBARUの切り札、インプレッサ

 そこまで言うのなら、よほど良いデキなのでござんしょう。期待に胸が高鳴ります。高速、一般道を含め、一週間タップリと試乗してきた。


 インプレッサの試乗期間中、ツインリンクもてぎへ出かける用事があった。拙宅から片道160キロ。高速を降りたら適度なワインディングもある。高速と一般道をイッキに走ることができ、燃費を計測するにも最適だ。高橋のマンちゃんからクルマを受け取った翌日。早朝5時に拙宅を出て、一路もてぎへと向かった。

 試乗車は2リットルの(当然)水平対向エンジン。インプレッサは1.6リットルと2リットルの2種類のエンジンがある。今回用意していただいたのは、大きい方のエンジンで、しかも一番高級なモデルである。

SUBARU自慢の水平対向エンジン

 早朝のエンジンスタートには気をつかう。拙宅は幹線道路からも駅からも距離があり、時期によってはウグイスなんかも鳴いちゃったりする静かな場所にある。また周囲の住民はご高齢の方も多い。スバルのドロドロした大きな排気音は近所迷惑なのである。

 ことに隣に住む長生きおばあさんは、家の前を掃きながら、「立派なクルマですわねぇ。大きな音がして」などと嫌味を言う。おばあさんは次々と違うクルマに乗り、冬でも色黒な私を見て、きっとインチキの中古車ブローカーか何かと思っているに違いない。いや自分はカタギの勤め人なんスよマジで。