ここで落第したら、会社中の笑いものである。

 応用操縦は、落水者に見立てたブイを救助する人命救助、様々な方向から向かってくる船からの避航操船。それから離岸、着岸などを行う。どれも比較的簡単にできることなのだが、動作の行う際に「後方ヨシ!」「左右ヨシ!」等の安全確認作業を忘れがちである(私も同乗者も何度も注意された)。これを怠ると試験の際に大きなマイナスとなってしまうので、十分に注意しなければならない。

「うまい、うまい」。ほめられて伸びるタイプである。
高速ターン。うーんこれは気持ちいいぞ。

 学科2日、実技1日の1級免許3日間講習はあっというまに終わってしまった。あとは試験を待つばかりである……のだが、無論この講習を受けただけでは絶対に合格できない。試験対策として、十分な復習が必要である。

 「過去問題集を完璧に学んでおけば、75%の問題は解けます」とのことだったが、試験は1カ月も先のことだ、そのうちやれば良いや、とタカをくくっていた。

 ややや。気付けば試験は明日やおまへんか。ヤバい。マジで準備していない。焦って問題集を開いたのだが、はるか昔に学んだ言葉は全てがチンプンカンプンで、特に海図問題は絶望的に分からない。学生の頃、試験の前に寝てしまった、「あの」焦りと絶望感が蘇る。

 私の受験は(記事化にむけ写真撮影の許可をいただくために)既にヤマハの広報にも伝わっている。ここで落第したら、会社中の笑いものである。当日は早目に帰宅して7時から勉強スタート。翌朝6時まで頑張って30分だけ寝て、シャワーを浴びて横浜の会場に向かった。

 試験会場は学科を学んだ場所と同じ、ヤマハのボートスクールである。

 試験が始まる。まずはセオリー通りに簡単なところから解いていく。うんうん。かんたんかんたん。海にゴミを捨ててはいけないよね。こんなことは小学生だって分かる。

 途中で2級の受験生が退出していく。1級の受験生が残り、海図に三角定規を当て、コンパスを回して難しい問題に取り組んでいる。海図問題は3問。2問は解けたが、最後の1問が怪しい。ここは鉛筆を転がして天に託した。海の神よ。我を守り給え。

 昼休みをはさんで実技試験。講習と同じ場所、同じ船で行うので、余程のヘマをしない限りは問題ないだろう。落水者救助の際、一回空振りしてしまったのだが、二度目は無事に成功した。ジグザグ走行。回避行動も完璧だ。「結び方試験」は、船上で「はいそれではもやい結びをやって下さい」とロープを渡される。こちらも楽勝。

 かくして不眠と緊張の試験は終了した。

 結果発表は数日後。ウェブサイトで受験番号のみの発表である。ドキドキしながらウェブを見に行くと、見事にパスしていた。免許の申請はヤマハが代行してくれるので、あとは免許証が送られてくるのを待つばかりである。

 かくして不肖フェル。晴れて1級小型船舶操縦士免許保持者である。取りあえずはヤマハのマリンクラブに加入して、様々な大きさの船に乗っていこうと思う。クルマだけでなく、ボートの試乗記なんてのも面白そうだ。今後の展開にご期待されたい。

 それではみなさままた来週!