せっかくなら外洋に出られる1級を取得しよう
ヨタ話をご覧頂いてもお分かりのように、最近“諸般の事情”で沖縄に出張る機会が増えている。沖縄は楽しい。本州が凍えるように寒い季節になっても気候は温暖だし、食事がうまくしかも安い。何よりもマリンスポーツのメッカであり、サーフィンでもダイビングでもSUP(スタンドアップパドルボード)でも、思う存分に楽しめる。
マリンスポーツの行き帰りには、船に乗る機会が多い。船は乗っているだけでも楽しい。波を切って走る爽快感。カーブの際、グッと船体を傾けて力強く進んでいく躍動感。船に乗る回数が増えるに従い、これを自分で操縦できたらどんなに楽しいだろうと思うようになった。

思い立ったが吉日である。早速インターネットであれこれ調べてみる。すると、我々シロートがボートを楽しむには、「小型船舶操縦士免許証」なる厳しい名称の国家資格が必要であることが判明した。自動車同様、無免で勝手に乗り回してはイカンのである。長さ3m未満、推進機関の出力が約2馬力未満の、バス釣りなどに使う小さなお船に乗るのであれば免許が要らないが、いわゆるモーターボートや水上バイクの操縦には、国家資格が必要なのである。
小型船舶操縦士免許証には、1級、2級、湖川、特殊小型、の4種類が存在する。せっかくなら外洋に出られる1級を取得しよう。これを取れば、全ての種類の船に、あらゆる場所で乗り放題である……と思うのは素人のあさはかさ。1級を取っても水上バイクを操縦することは出来ない。
法改正前の古い免許制度のときは、自動車の普通免許に原付き免許がオマケで付いてきたように、水上バイクの操縦も可能だったのだが、事故が多く、ルールやマナーを守らない連中が多く出たために、やむなく別枠の特殊小型を作ったと言われている(実際に海水浴場のすぐそばで、暴走族のように走り回る迷惑集団を目にしますからね。消息筋によると、来年から取締りが強化されるそうですが)。
さらにネットを調べていくと、ヤマハ発動機のボート免許教室が親切丁寧で、非常に評判が良いことが見えてきた。二輪のイメージが強いヤマハだが、実は日本最大のボートメーカーでもある。ヤマハのマリン事業は、バイクよりも産業ロボットよりも利益率が高く、売上高営業利益率は20%を超えている。ボートをたくさん売るためには、免許の保有者を増やさなければならい。ヤマハがボート教室を経営する“意義”は、無論ここにある。
ヤマハの教室は、勉強や実技を教えてくれるだけでなく、国家試験の受験申請や、免許交付申請などの手続きも代行してくれる。面倒な手続きは大嫌いだから、これはありがたい。さらに100万人を超える人がヤマハでボート免許を取っているというのも心強い。ハッキリ決めた。ヤマハに決めた(最近知ったことなのだが、ハトヤのこのフレーズ、静岡から西の方にはサッパリ分からないらしい)。今回はスケジュールと場所の兼ね合いで、横浜ベイサイドマリーナのヤマハボート免許教室に行くことにした。

拙宅から横浜ベイサイドマリーナまで、クルマでわずか1時間弱である。近い。東京からこんなに近い場所に潮の香りがする素敵なマリーナがあり、ボートの免許が取れてしまうのだ。もっと遠くに行かなければならないと覚悟していたのだが、これは盲点だった。
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