柏:ペシャンコだよ。なにせM7は(インプルを装着しない)空身の状態だって7トン近くあるんだから。そんなのの下敷きになったら、ノシイカみたいにペラペラになっちゃうよ(笑)。
事故の原因は「慣れ」と「時間」
F:しかし走り慣れた牧草地で、なぜ事故が起きるのでしょう。
柏:やっぱり慣れだよね。慣れて「この程度なら大丈夫」って気持ちになって、コロッと行っちゃうの。あとは時間の問題。限られた時間の中で追い詰められながら作業していると、どうしても無理が出てくるわけ。坂を上りきって広いところでUターンするよりも、この場でクルッと回れたほうが都合がいいことがあるでしょう。それでね。

横転、ペシャンコ、死ぬ、ノシイカ……。
自動車メーカーやインポーターの試乗では決して耳にしないような言葉がポンポン飛び出してくる。これは面白い取材ができそうだ。
挨拶を済ませ、早速運転席によじ登る。
スタートボタンを押し、エンジンを始動する。クボタ製6124cc、150馬力のディーゼルエンジンは、軽い振動とともに目を覚ました。大きいエンジンなのに、音は拍子抜けするくらいに静かである。燃料タンクの容量は実に300リットル(!)。ドラム缶1本半分の大きさである。排気を浄化するための尿素水タンクもドカンと大きく38リットルである。ヴィッツ・ハイブリッドの燃料タンクよりも大きい。

柏:クラッチ式のトラクターには乗ったことがあるんだっけ?
F:ありません。オートマだけです。
柏:ウチのはクラッチ式だから、ここのクラッチペダルを踏んで繋いでください。ただ、クルマのクラッチのように回転を合わせる必要はないので。先にポンと繋いじゃえば、後はオートマみたいに走ることができるので。
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