:毎年は蒔きません。牧草はいったん生えると、根こそぎ刈らない限り何回でも刈れるんですよ。これは土地の個性とか天候によっても変わるのですが、ウチではだいたい5、6年に1回植え直しています。年に2回刈れるから、1回植えると10回は刈れることになりますね。いよいよ草が弱くなってきたら、根を起こしてしまいます。根を掘り起こして、そのまま地面に鋤き込むわけです。もちろんその際に肥料もやります。根を起こして、鋤き込んで、整地して種を蒔いて、肥料と農薬を撒いて、さらに草を刈って、乾燥させるために地面に広げて、今度はそれを纏めて、集めて、ロールにして運び出します。それを全てこのトラクターでやるわけです。インプルを替えて。

「やっと出たか」という感じで買いました

 堀井さんが「インプル」と言うのは、使用目的によって変更する農具のアタッチメント、「インプルメント」のことだ。トラクターはそれを押し引きし、動力を与える「装置」ということになる。

おフランスの「クボタファームマシナリーヨーロッパS.A.S.」で作られて、日本には“逆輸入”の形で入ってくるクボタ最大のM7。試乗させていただいたM7はインプルを取り外し、バランスを取るために500kg(!!)の鉄球が取り付けられていた。同車は130、150、170馬力、と出力により3機種に分けられる。堀井さんの愛車はM7-151、150馬力の機種である。

:日本製のトラクターはみんな小さいので、この辺は外国製のトラクターが多かったんですよ。一昨年にクボタがようやく大きいのを出してくれたので、ウチはすぐに買いました。「やっと出たか」、という感じでね(笑)。

F:どうしてクボタは今まで大型を出さなかったのでしょうね。

:やっぱり数が限られていますからね。それほど出るものじゃないでしょう。これだってほら、フランスで作っているんですよね。使われる場所で作るのが、一番効率が良いということじゃないですか。

F:堀井牧場ではイネ科とマメ科のどちらの牧草を植えているのですか?

:両方の種類が5、6種類入っている混合です。1種類だけだと栄養のバランスが取れないのです。牛乳は餌の種類で成分がうんと変わってくるんです。

F:餌で牛乳が変わる?

:変わります。激変しますね。肉と一緒です。

F:餌で牛乳が変わるんだ。面白い。実に面白い。

:あ、牧草だけじゃダメですよ。草だけじゃ量が出ないんで、コーンを原料とした飼料も併せて与えます。

F:コーンも作っていらっしゃる。