「ウチの永田くん、家庭教師だったんだって。フェルさんの」

広報室長:社長。そろそろお時間です。

:お。もうそんな時間か。

広報室長:はい。既に大分オーバーしております。

:それじゃこれで。ありがとうございました。そう言えばほら。永田くん、アメリカの永田くんを知ってる?

広報室長:アメリカの永田専務ですね。もちろん存じております。

:彼、家庭教師だったんだって。フェルさんの。

広報室長:えー!!!

D豊島:そうなんですよ。僕も前に聞いてビックリしちゃって。

:すごい縁だねぇ。ウチの永田くんがフェルさんの家庭教師(笑)

広報室長:そりゃまた奇遇です。フェルさん、それは大学受験か何かで?

F:それが……私は下からエスカレーター式の学校に行っていて、黙って普通の点を取っていれば大学まで行けるのですが、毎回ギリギリの点数で、その「普通の点」が取れなくて。単に平均点を取るために家庭教師に付いて頂いたんです。お恥ずかしい話です。

広報室長:はー、それで永田専務に……(超呆れ顔)。

F:あの人凄いんです。何回か勉強を見てもらって、これはマトモにやってもダメだと判断されたようで。何しろ受験経験が無いので勉強の基礎がまるきり出来ていない。いくら東大の秀才さんに来てもらったってダメなものはダメ。それこそ英語や数学は絶望的。

 そこで永田さんは「先輩を回って3年分の過去問を集めてきて。それからクラスで一番賢い子のノートを借りてきて」、と。それをたった1枚のA4の紙に纏めちゃうんです。「いくらヤマグチ君でも、これくらいの量なら暗記できるよね」と。その内容がまた、テストの際に恐ろしいほどにバシッと当たる。かくして目出度く進学と相成った訳です。

広報室長:はー……(超絶呆れ顔)。

:たいしたもんだ。ウチの経営もそうやって見てもらおうか(笑)

広報室長:社長あの……本当にお時間が……。

:うんうん分かってる。え?写真ですか?はいはいお安いご用。なんですかそのマスク。へぇ、フェルさん顔出しがNGなの。それでマスクを。これからモリゾウもそれで行こうか(笑)

 このような感じで豊田章男社長とのインタビューは和やかに終わりました。

 7回に渡ってお送りしたインタビューですが、実のところカコミ取材と1on1の単独取材を合わせても、時間はトータルで40分程度。お話しいただいた内容は、殆ど全て記事にしました。

 でもまだ聞きたいことはたくさん有るんですよね。またどこかでお時間を頂けたら、別の角度からお話を伺いたいと思います。

 さてさて、次週からお届けするのはミシュランが新しく開いた研究施設の見学レポート。こちらも面白い話をたくさん聞いてきました。

 お楽しみに!

ポスト「ハイブリッド」は? PHVと主役の座争うEV

読者のみなさん、こんにちは。編集担当のY田です。

10月6日、自動車販売会社の業界団体がまとめた4~9月の新車販売台数(軽自動車を含む)が明らかになりました。首位はトヨタの「プリウス」で、販売台数は13万6616台。なお、トヨタは、トップ10のうち6車種を占めるなど今年度の上期は非常に好調でした。

プリウスに代表されるハイブリッド車(HV)は、次世代環境車として順調に裾野を広げています。HVを追うのはプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)などですが、PHVと同様にEVも、本格普及に向けた新たなステージに入りつつあるようです。

キーワードは、「長距離化」と「自動運転との融合」。

独フォルクスワーゲン(VW)は9月に開かれたパリモーターショーで、次世代型EVのコンセプトカー「I.D.」を披露。ゴルフと同程度のサイズで、1度の充電で走れる航続距離は600km。2020年に市販を始める予定で、ゴルフ・ディーゼルと同程度の価格を想定しているそうです。

I.D.には完全自動運転技術を搭載する計画です。モーターのみで動くEVは高精度な電子制御が可能で、応答性を高めやすいことから、自動運転技術の親和性は高いといえます。

一方、ダイムラーは新ブランド「EQ」で2025年までに10車種のEVを投入すると発表。電池の開発に10億ユーロを投資するそうです。

日本メーカーに目を転じますと、EVへの取り組みに関しては少々出遅れ感が漂います。「リーフ」で先行した日産も、航続距離が500km程度になるとみられる次期車の正式発表はまだです。トヨタやホンダは、現時点では量産型EVの投入時期を明言していません。

PHV、EV、FCV…。ポストHV争いで主役の座に就くのはどの方式なのでしょうか。

日経ビジネス10月10日号では、「EV競争第2幕、パリで号砲」と題して、EVを巡る各社の取り組みをリポートしています。ご興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください(日経ビジネスオンラインの無料会員の方は、無料ポイントを使ってお読みいただけます)。