「敢えて『鶏と卵』とは言わない」

プリウスPHVのヘッドライト。左右4つのランプで滋養と強壮に効く八ツ目鰻状態である。「長く走れる」ということをイメージしてるのだろうか。

F:未来を見せるショーカー的な要素も。しかもプリウスはソアラと比べれば圧倒的に数が出るクルマだから……。

:「普及してこそのエコ」だと思います。

F:普及してこそのエコ。なるほど。するとMIRAIもどんどん普及していくとお考えですか。水素ステーションの問題も有り、おいそれと手が出せる代物では無いとも思えますが……。結構な度胸が要りますよね、あれを買うには。

:ええ。だけど、あれはやっぱり花とミツバチじゃないですけど。

F:花とミツバチ、ですか?

:うん。敢えて鶏と卵と言わないで、花とミツバチと言っています。鶏と卵というと、「普及しないのは水素ステーションがないからだ」とか、「水素自動車が増えないからステーションを作れないんだ」とか変な言い合いになるじゃないですか。お互いに支え合っていくべき相手が、対立の相手になってしまう。そうじゃないんですと。違うんですと。

 花とミツバチのように、両方が惹き合って、両方にメリットが出なければいけない。だから我々はどんどんクルマを作っちゃいます。我々がミツバチか花だかは知りませんけれど、両方が惹き合うものにしていかないといけません。特に水素社会というのは、ものすごく発展性があるものだと思いますから。

F:水素社会。本当に来るんでしょうか?

:僕は来ると思いますよ。そもそも日本には資源が無いわけですから。今の段階では、まだ水素をつくるのにCO2が発生してしまうことはもちろん理解しています。石油みたいに掘れば出てくる水素の油田みたいなものは有りません。

 ですが、基本的に水素は無限に有るわけですから。ここは新しい技術で取り組んでいくしかない。上手くやれば、ゴミからでも水素は取り出せるんですから。まだ少し時間はかかりますが、様々なものから水素が取り出せるようになればね。日本がエネルギー自立できるじゃないですか。

F:エネルギーの自立。なるほど。

:水素社会というのは自動車会社だけで出来ることではありません。日本という国として、僕は、「水素社会」というものを絶対に諦めてほしくないなと思っています。

「『水素社会』というものを絶対に諦めてほしくないなと思っています」