良かったです。ものすごく良かった。


鳥居(以下、鳥):ちなみにフェルさん。新しいアウトランダーPHEVには試乗されましたか。

フェルディナント(以下、F):はい。先日一週間ほどお借りして、たっぷりと試乗させていただきました。

:いかがでしたか?

F:良かったです。ものすごく良かった。ここ最近試乗したクルマの中では図抜けて良かったです。

三菱自動車一同:おぉ!

F:低速域ではしっとりとしている。それでいて飛ばしても決して乱れない上質な足回り。力強くシームレスな加速。エンジンが掛かっても気付かないほどの優れた遮音性。しかも荷物がタップリ詰める。PHEVだから当然燃費も良い。文句なしです。上質、洗練。そんな言葉が似合う最高に良いクルマです。

マンちゃん:珍しくフェルさんベタ褒めでしたものね。普段はあれダメこれダメと文句ばかり言うのに。この人がここまで褒めるのは珍しいです(笑)。

三菱自動車一同:ありがとうございます!

F:パドルでエネルギー回生の強弱を切り替えてエンブレ的に使えるのも素晴らしいアイデアです。それにつながるような日産自動車のワンペダルドライブも、初めから違和感なく入れて実に快適でした。NOTE e-POWERの記事にも書きましたが、ワンペダルは次世代のクルマの標準になっていくのではないかとさえ思います。アウトランダーPHEVの開発に際しては、日産と技術的なやりとりがあったのですか?

:いえ、ありません。あれはウチ独自で開発したものです。

F:本当に良かった。今思い出してもウットリするくらい良かったです。ああ……いま脳内には幸福ホルモンが溢れています……(笑)

:ありがとうございます。嬉しいです。

F:三菱自動車製でなければ、自分で買いたいくらいです。

:……え、それは……。

担当編集Y崎:フェルさん。それは言い過ぎですよ。

マンちゃん:いくらなんでもひどいですよ。

F:ご無礼を申し上げます。本当に申し訳ありません。でも、ごめんなさい。これが私の本音です。すごく良いクルマだと思う。でも今の時点では買えない。まだどこかに何か隠しているんじゃないか、実はここを誤魔化してましたー、とか後から出て来るんじゃないかとつい勘ぐってしまうんです。2000年の時も、2004年の時もそうでしたよね。もうしません。再発防止に努めます、と内外に誓っていたのに。

 テープ起こしの原稿を読み返しても、本当にひどいことを言っていると思う。相手が反論しがたい状況にあるのを良いことに、“水に落ちた犬は叩け”とばかりに、ゲスな言葉を投げかけている。不快に思われた方は、これ以上読み進まないほうが良いかも知れない。今回の原稿で、もっとゲスい言葉が出てきます。

:そうですね。私もそうです。

F:それなのにまた繰り返されてしまった。そしてまた「もうしません」と言っている。またかよ、ホンマかいな?というのが私の偽らざる気持ちです。

:今のフェルさんの気持ちが、日本の市場における三菱自動車の評価だと思います。そしてそれはシェアにも現れています。我々は、今はその事実を厳粛に受け止めるしかないと思います。私が今ここで何かを言ったところで、すぐに評価がひっくり返って、みなさんにウェルカムしていただけるかと、そんな状態でもありませんし。

F:そうですよね。そんな「魔法の言葉」は絶対にない。

:地道に、ひたむきに。一つひとつ優れた商品を出して信頼を積み重ねていくしかない。そしてお客様に理解していただくしかないんじゃないかと思っています。フェルさんには厳しいことを言われましたが、いろいろ批判していただくのは当然ですし、我々はそれを次なる改善に結び付けていきたいと思っています。いろいろなご意見をうかがいたいです。

F:なるほど。いや、ご無礼を申し上げました。しかしアウトランダーPHEVは良いですね。本当に良い。冬になったらもう一度借りて、あれでスキーに行きたいです。

:オールマイティーですよ。海でも雪山でもどこにでも行けます。そうそう。このクルマを開発したエンジニアは、前にランサーエボリューションをやっていた人間です。彼もラリーをやっていて、日本ラリーで優勝したこともあるんです。その下の担当が、これまた熱い男で……その2人がエボリューションの開発をずっとやっていたんです。

F:それは面白そうですね。実はアウトランダーPHEVは、鳥居さんのインタビューに際して、三菱自動車のクルマに何も乗っていないのでは話もできないな、ということでお借りしたのですが、これは別個で記事にしなければいけませんね。

三菱自動車広報:彼らは非常に……ちょっとあの……お話が大好きな人間なんですが……。

F:しゃべりすぎる?今は出せませんか?(笑)

:いや、いいですよ。大丈夫です(笑)。

次ページ ランエボはなぜやめたのか?