「会社に来ると、なぜか“デカい釜”で作り出す」

:我が家だってやっていますよ、それくらいのことは。それが会社に来るとどうですか。途端に単純な計算も出来ないような、バカなことをやり出してしまう。

 例えば、炊飯器でご飯を炊くとします。コメ1粒当たりのコストは、大きな釜で炊いたほうが安いに決まっている。だけど、家族は何人なのかと。ウチは2人です。2人で暮らしているのに、食べられもしないこんなにデカイ釜で炊く家がありますかと。絶対にありませんから。

 ところが会社に来ると、デカい釜で作り出すんですよ。このほうが一粒あたりのコストが安いですと。トヨタの場合だと台数になりますが。そんなに造って売れるの?と。それを食べるだけの家族はいるのかと。

F:うーむ……。

:ところが算術計算だと、そのほうが得に見えて来るんです。それをこうやって資料に書いておくと、何となくみんなが納得してしまうんです。

他社:でも、それ。トヨタ生産方式の中で、売れる数だけつくるということは、ずっと強く理念として持ってらっしゃるはずのものじゃないですか。

:その“はず”のものが出来ていないんです。出来ていないことが有るんです。

 何かエラい話になって参りました。ここまでお話し頂けますか、章男社長。

 業界騒然。豊田章男社長スーパーインタビューは次号に続きます。

巻き返せるか?ニッポン自動車メーカー

読者の皆さん、こんにちは。編集担当のY田です。

「自動運転技術」については、日本は欧米に比べて一歩遅れているとも言われます。そうした中、政府は、自動運転車の実用化について、従来目標の2025年から前倒しする検討に入りました。9月13日に開いた有識者会合で、経済産業省が「現行の目標時期が適切なのかという問題意識を持っている」と表明。これに多くの委員が賛同したといいます。

背景には三つの「想定外」があります。①海外メーカーの開発スピードの加速、②技術のコモディティー化、③「サービス化」の急速な動き――です。

独BMWと米フォード・モーターはレベル4(加速・操舵・制動すべてにドライバーが全く関与しない完全自動走行システム)に相当する自動運転車の量産を2021年までに始めるとそれぞれ表明。また、自動運転機能を実現するうえで必要なシステムをベンチャー企業や部品メーカーが丸ごと開発する動きが活発化し、どんなクルマにも搭載できる状況が近づきつつあります。さらに、レベル4の完全自動運転車は現状、市販こそされていませんが、一部の地域に限定したバスやタクシーなどのサービスで既に運用が始まっています。

こうした動きに取り残されることなく、日本の自動車産業を守り、成長させていくうえでは、スピーディーな規制緩和が不可欠です。

日経ビジネス9月26日号では、今回の前倒しの背景を時事深層「自動運転、国策に3つの「想定外」」として詳しくまとめました。日経ビジネスオンラインの無料会員の方でも、無料ポイントを利用すればお読みいただけますので、ぜひご覧ください。