F:何しろ彼ら、ジャーマンスリーには長い長い歴史がある。その部分はレクサスのクルマがどんなに良くなったとしても、永遠に追いつけません。そのあたりはどうお考えですか?
旭:ご指摘の通り、レクサスはジャーマンスリーに対して歴史が浅いです。彼らの100年を超える歴史から生まれるブランドの信頼に追いつけ追い越せというのは、なかなか難しいと思います。そこでレクサスを買っていただく、LSを買っていただくためには、そういった競合車とは違う、レクサスならではの新たな魅力を提供するしかないと思います。
F:なるほど。
誰かのマネをしても意味はない
旭:その魅力を、僕たちは4つのファクターに込めました。唯一無二の「BRAVE DESIGN(挑戦するデザイン)」。そして「EXHILARATING PERFORMANCE(すっきり奥深いパフォーマンス)」。日本の伝統技術、伝統美意識を取り入れた「TAKUMI CRAFTSMANSHIP(匠の技)」。そして先進安全性の「IMAGINATIVE TECHNOLOGY(創造的な先進技術)」です。これも単に先進安全なだけではなく、人に寄り添う、レクサスならではのおもてなしが入った先進安全、先進技術という思いを込めています。
F:あの、いいお話を伺った後で変なことをお聞きしますが、例えばメルセデス・ベンツのSクラスの乗り心地や操縦安定性を丸パクリして再現しようとすれば、それはわりと簡単にできたりするものなのですか。
旭:やろうと思えばできると思います。例えばメルセデスと同じ技術を使って同じものを持ってくれば、やってやれないことはないと思います。
F:でもやらない。
旭:やりません。断じてやらない。丸パクリをやったら、なんだ、結局レクサスはメルセデスと一緒じゃないの。レクサスは何がやりたいの? って話になってしまうので。レクサスは唯一無二でないと存在する意味がありませんから。
F:なるほど。今日は長時間、ありがとうございました。
一同:ありがとうございました。

旭さんのロングインタビュー。お楽しみいただけましたでしょうか?
他所のブランドが評価が高いからといって、同じモノを作っても軽蔑されるだけ。
唯一無二を目指す。いい言葉です。
来週はいよいよレクサスLS最終回。恐怖のユーザーインタビューです。
後部座席に同乗し、「ヘビーユーザーの生の声」をたっぷりじっくり伺いました。
お楽しみに!
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