実に11年ぶりのフルモデルチェンジ。文字通り「満を持して」リリースされたレクサスのフラッグシップカー「LS」。
最新の技術を惜しげもなく投入し、(好き嫌いは分かれようが)、顧客層の若返りを図るためにデザインを一新。非常にアグレッシブなものとなった。
実際に運転すると、そのドライバビリティには目を見張るものがあり、舶来信仰の不肖フェルをして、「日本のクルマもここまで来たか……」と唸らせるほどの出来栄えである。
しかし……その出来栄えを好ましく思っていない人物がいた。
以下、前回からの続きである(前回はこちら)。

F:私が本業で大変お世話になっている経営者の方がおりまして、その方が社長車としてずっとLSに乗っているんですね。
旭:ありがとうございます(深くお辞儀)。
F:社長車だけでなく、個人所有されているクルマもすべてトヨタで。もっと言うと、今までトヨタのクルマしか所有したことがないというくらいのトヨタファンの方で。いや、もちろん協力会社とかそういうのじゃなくて。トヨタとは何の関係もない会社で。
旭:ありがたいことです。
F:新型のLSが出たら当たり前のようにオーダーを入れて、まあ重要顧客なのでしょうから、かなり早い時期に納車もされて。
旭:はい。
F:その方がダメ出しされているんですよ。「あり得ん」とまでおっしゃっている。
旭:……それは、どのような理由ですか……?
F:それはですね……。ともかく乗り心地が「硬い」ということなんです。
旭:ああ。
F:ゴツゴツ硬すぎると。
乗り心地の考え方をすこし見直しました
旭:なるほど。「硬い」とおっしゃっている。そういう意味でいきますと、確かに今回のモデルチェンジでは乗り心地の“考え方”を少し変えています。
旧型はかなりフワフワした乗り心地だったんですね。ですから“当たり”は優しいのですが、例えば長時間乗っていると、乗員自体も徐々にフワフワした気分になってしまう。もしくはちょっと路面の荒れたところを走ると、こう身体が揺すられてしまう。長距離を乗ると疲れてしまうということがあって、今回は比較的「しっかりした乗り心地」に変えています。
F:新しいLSは、旧型と比較すると乗り心地の“考え方”を変えて、「しっかりした乗り心地」に変えた、と。
旭:そうです。だからたとえば長距離を走ってもフワフワせずにフラットな感じで走っていける。ワインディングやデコボコ道を走っても、フラットに走れるというところを重視している。その分、従来のフワフワ感から、やっぱり少ししっかりした感じになっているところがあるんです。それともうひとつ。今回はタイヤをランフラットタイヤにしています。パンクしてもそのまま、約160km走れるタイヤです。
F:パンクしても160km! そんなに飛ばせるんですね。凄いな。
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