「トヨタ内の工場同士で受注競争があってもいい」

:お客様からクルマが選ばれるだけじゃ有りませんよ。工場もカンパニーから選ばれるようになる。今までは、「はい。このクルマはこの工場」とやっていた。ウチの工場はこのクルマを作ります。当分は安泰です」という雰囲気があった。それじゃいけませんよね。絶えずみんなが社内で競争している状態にしないといけない。

F:すると、同じトヨタの工場間でも競争が有っても良いと。受注合戦が起きても良いと。

:有っても良いでしょう。いまは豊島が開発したプリウスをこの工場で作っているけれども(机に指で円を書いて)、それをこっちに移したりとかね(大きく指を動かして、他の場所に円を描きながら)。

デストロイヤー豊島氏(以下、D豊島):え!こっちに移すんですか……?

:まだだよ。まだ違うよ。

D豊島:そんな権限無いですし、私……。

:でも、いつかはそういうようになっていくと思います。トヨタは非常にコンペティティブな会社になる。社内でも。

F:スゲー!……あ……いや。スミマセン、つい。凄いです。壮大なお考えです。

:1000万台の規模になるとね、社内にもいろんな競争が無ければダメなんですよね。

F:なるほどなるほど。

1000万台クラスの会社を一人で牽引するなんて、どだいムリ。
カンパニー制の導入は、権限委譲と同時に、健全且つ熾烈な社内コンペの始まりでもあったのだ。知れば知るほど面白い。「トヨタがツマラナイ会社」なんて言ったのはどこの誰だ!

あ……私でした。どーもスミマセン(初代林家三平師匠調)。
章男社長のインタビュー。まだまだ続きます!お楽しみに!

いまの時代の“プリウス”はどっち?

こんにちは、ADフジノです

順調に回を重ねております豊田章男社長インタビューですが、実はこの取材時の本来の目的はプリウスPHVの試乗会でした。フェルさんはお忘れのようですけど・・・。

社長がインタビューで「プリウスはカローラ化してきた」という発言をされていますが、奇しくもいまの4代目プリウスを試乗したときのボクの印象もそれでした。いい意味でフツーのクルマになったと感じました。

標準の4代目プリウス。もうすっかり見慣れました

では、かつてのプリウスの役割を担うのはどのモデルなのか、それが新しいプリウスPHVではないかと思います。

新型はまず先代とは異なり、ベース車とデザインの差別化を図っています。それは外装だけでなく、内装も変更箇所は多岐にわたります。PHVに乗っているという特別感がちゃんと演出されています。

こちらがプリウスPHV。16個のLEDで構成されるヘッドライトを採用。トヨタ車初のアダプティブハイビームを備える。またバックドアの骨格をカーボン製としアルミに比べ40%の軽量化を実現するなど、細部まで力が入っている

そして、何より注目なのはEV性能の向上です。ラゲッジ下に収まるリチウムイオンバッテリーは先代の4.4kWから倍の8.8kWに、デュアルモータードライブシステムとして、従来のモーターに加え、EV走行での最大出力時にはジェネレーター(発電用)であるモーターも駆動用として作動させます。

これにより、EVとしての走行可能距離は60km以上、最高速度は135km/hに到達するといいます。ただし、バッテリーの増加によって車両重量は100kgほど重くなり、後席は独立2座の4人乗り仕様になりました。

充電性能も強化されていて、新型は100V、200Vの両方の普通&急速充電に対応。急速充電なら約80%充電が約20分で行え、また専用工事が不要な一般の住宅用の100V/6Aでも充電が可能といいます。さらに、ルーフには世界初のソーラー充電システムが搭載されます。駐車中は駆動用のバッテリーを充電、走行中もバッテリーの消費を低減する役割を果たすといいます。

ルーフのソーラーパネル。これにより充電スタンドがない駐車場でも充電が可能。災害時などの給電機能も強化されている

試乗会はまだナンバーのつかないプロトタイプとのことで、サーキットで行われました。

何の気なしに走りだしたのですが、出だしは明らかにベース車よりもトルクフル。そして車重の重さはもちろん感じるのですが、それがよりしっとりとした乗り味を生んでいました。そして何より驚いたのが、80km/hあたりからアクセルを踏みこむとエンジンがかかるかと思いきや、なんとそのままEV走行を続けて、サーキットを1周できてしまったこと。もちろんその後、全開にすればエンジンはかかりますが、これは相当なEV性能だと感じた次第です。

インテリアは、テスラにも負けじと11.6インチの縦型のディスプレイを搭載。フリックやピンチアウトなどスマートフォンのような操作を可能にした

残念ながら発売が延期され、今冬の発売予定で価格はまだ未発表ですが、いまの時代の“プリウス”は、こちらだと思います。お急ぎでない方はぜひPHVを。