こんにちは、AD高橋です。

 「伝統的な3ボックスセダンを今でもキチンと作りながら、一方で4ドアクーペも作っている」「LSって旧態依然としているよねと言われちゃうと新しい人は来てくれない」

 旭さんのこの言葉と似たような話が、先日、著名な自動車ファンをインタビューする中で出てきました。

 その方は日本の自動車メーカーに対してこのように言いました。

 「今はランボルギーニも、ベントレーもSUVを出しちゃう時代。それどころかロールスロイスまでSUV(カリナン/写真下)を作っちゃうし、フェラーリがプラグインハイブリッドでSUVを出すという話もある。なのになぜ日本のメーカーは何もせずただ指をくわえて見ているのだろう」

 その方は「トヨタはクラウン、日産はGT-RでSUVを作っちゃえば世界が驚くよ」と話していました。たしかにGT-RのSUVがオフロードを爆走していたらたまげますよね。

 でも、そんなことしたらGT-Rファンが怒りだして大炎上するのでは?
 すると私をあきれ顔で見ながらこのように話したのです。

 「ハコスカのGT-Rが登場したのは何年? 1969年だよ。その頃にハコスカGT-Rを買った思い出を大切にしている人はもうお爺さんなんだよ。次の免許の更新で高齢者講習にパスできるかを本気で心配する世代なの。その人たちの思い出よりも、『日産すげえ! やるじゃん!!』と若い世代がクルマに夢を抱くほうが素敵だとは思わない?」

 ちなみに私がインタビューした方も、高齢者講習の対象です。自分たちの楽しみよりも若い人たちが盛り上がる方法を真面目に考えられるのはすごいなと感じました。

 でも、考えてみたらクラウンもスカイラインも、これまでいろいろなチャレンジをしているんですよね。クラウンは2代目の40系からステーションワゴンを設定していましたし、4代目のクジラクラウン(写真下)にはクーペもありました。バブルの頃はハードトップも流行しましたよね。1999年に発売されたクラウンエステートは今でも街で見かけることがありますが、若い人が乗っていると「ツウだな」と思います。

 スカイラインもハコスカ(写真下)からR31までステーションワゴン/バンが設定されていましたし、そもそもハコスカにはGT-Rという、セダンに凶暴なエンジンをブッ込んで世間を驚愕させたモデルがありました。そういえばステーションワゴンのステージアにはR33GT-Rのエンジンを積んだ260RSという限定車もありましたね。

 もちろん当時は限られた資産の中でいろいろなボディを作るという事情があったので、ランボルギーニやベントレーのSUV展開とは話が異なります。でもそこには「もっといいものを作ろう」「世間を驚かせよう」という技術者たちの思いがあったはず。

 そういえばトヨタが2001年に発売したbBオープンデッキの、「ハッチバックをピックアップトラックにしちゃえ!」というぶっ飛んだ発想には心底驚きました。

 レクサスの旭さんは若い世代を50代と設定していますが、ぜひ20代、30代がワクワクするようなクルマも作ってほしいものです。