F:黒塗りのクルマが東京會舘の正面玄関に乗り付けたときなど、前のLSは高級車然としていたというか、いかにも偉い人が乗るクルマだなぁ……という思いで見ていたのですが、新しい方はアグレッシブに過ぎると言うか……経団連会館に乗り付けるような爺様連の反応はどうですか。乗り降りする時にちょっとハデ過ぎて恥ずかしい、なんて声はないですか?

偉い方々のデザインへの評判は? ちなみにこの色は「マンガンラスター」です。

:大多数の方からは、好意的に受け止めていただいていると思っています。フェルさんが「アグレッシブ」と言うのは、たぶんこのスピンドルグリルの形のことだと思うのですが、これも2012年のGSから7年もやり続けているんですね。既にレクサスの顔として十分に定着しているのではないかと思います。確かに当初は賛否両論で、否の部分も結構あったと聞いていますが。

F:私は完全に否定派でした。最初に見た時の一言目は「何だこりゃ」でした。でもまあ今は比較的心穏やかに見ることができるようになりました。見慣れてきたのでしょうか。

:見慣れてくるのも当然ありますが、我々の中では「洗練されてきた」のだと思っています。全体的な造形に対して、スピンドルグリルを上手く入れ込めるようになってきたのではないかと。今回のLSは、「今までのスピンドルグリルの中で、一番クルマにフィットしているね」と多くのお客様から言われていて、あまりネガな話は聞いていないです。

F:「やり過ぎ」とは言われていない。

:そうは言われていません。仮にもしそういうご意見が出ていたとしても、我々が今回やりたかったデザインは、若い方をしっかり狙っていきたいというところがあるので。

狙う若手は「50代」

F:LSを若い方に。なるほど。その若いって、何歳のことを言っているのですか。

:50歳代です。

F:LS的には50代で「若い」となるんですね(笑)。

:なぜかというと、例えば国内で言えば、LSのユーザーの平均年齢は60歳を優に超えているからです。アメリカでいくと、もう67歳、68歳です。

F:ひょえー! アメリカではLS顧客の平均年齢が67、68歳! マジすか?

:マジです。我々も危機感を持っているんですよ。

F:10年後はまだしも、20年後もLSを買って運転してくれるのかと。

:そこです。その通りです。だからここで新たな顧客、新たなターゲットユーザーを設定して取っていかないと、将来はないと僕は思います。

F:日本でも軽く60歳超えかぁ……それはちょっと痺れる数字ですね。