F:ここまで広い範囲をカバーするとなると、もう平地での発進時なんて、1速がいらないんじゃないですか。
旭:そうですね。状況によっては、2速発進のときもありますね。
F:空荷のトラックと同じですね(笑)。
旭:ギアを高くすることで、当然燃費は良くなりますし、回転数が下がるので、エンジンノイズとしても静かになってくるというメリットが出てきます。燃費が良くなり、運転しても気持ちが良い、と。
F:なんか良い事ずくめのようですが、重量はどうですか。ギアを2段増やしたのだから、当然重くなり、また大きくなりますよね。
旭:ところがほとんど変わっていないんです。
F:えー!
旭:大きさも同じです。多段化しましたが大きくしていない。
F:凄い。開発陣はずいぶん頑張ったんですね。いや実は、重くなったら多段化のメリットも割り引いて聞かなきゃダメですよねーと意地悪なツッコミをしようと思ったのですが(笑)。
旭:その点は大丈夫です(笑)。アイシン・エィ・ダブリュさんが頑張ってくださったので(笑)。
F:あ、トランスミッションのサプライヤーはアイシン・エィ・ダブリュなんですね。
今度の顔はこわくない?
クルマは小さなネジまで含めると、約3万点の部品から構成されている。これらの部品の多くは、「協力会社」と呼ばれるサプライヤーから供給される。タイヤやガラスはもちろん、シートもそうだしヘッドランプもそうだ。こうした「協力会社」を探訪するのも面白そうだ。「いいから普通の記事の〆切を守れ」とマイトのYに叱られそうだが……。
F:しかしAT10段か……昔7速が出た時に、「そのうち10速とかにいくんじゃないの」なんて冗談で言っていましたが、本当にそうなってしまいました。何か感慨深いものがあります。将来的に、このまま12とか14とかになるのでしょうか。
旭:うーん。既にメカニカル的に相当複雑になっていますし、たぶん難しいと思います。あと、メカだけでなく制御も大変です。例えば今、10速で高速走行しているとする。そのときにポーンとアクセルを入れたら、いったい何段目に飛ばせば良いのかと。落とし方も同じです。軽くポーンと入れる人もいれば、フェルさんみたいにガッと踏んじゃう人もいる。それらをすべてクルマが検知して学習して合わせなくちゃいけない。そういったところが、かなり難しくなってくるのだと思います。
マイトのY:……フェルさん、聞きましたか。ほら、レクサスのチーフエンジニアの方にまで乱暴な運転をする人だと思われている。
F:うぅ……。と、ところでですね。今回のLS。何て言うのかな……かなり凄い顔をしているじゃないですか。
旭:そうですか?
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