今回はグリルに注目

 こんにちは、AD高橋です。

 フェルさんも言うように、LSのチーフエンジニアである旭さんのお話は本当におもしろくて捨てるところがありません。通常、インタビュー中に僕から対象者に話を振ったこともフェルさんが話題を膨らませて原稿内に使ってもらっています。でも今回はフェルさんに「このネタは僕にくださいよ!」と断りを入れて、こちらで触れようと思います。それはLSのスピンドルグリルについて。

 LSのスピンドルグリルは上下に配置した台形の中にメッシュが張り巡らされています。実はこのメッシュの形状がFスポーツとそれ以外のグレードで異なっていることに気付きましたか?

 Fスポーツはメッシュが織りなす菱形形状が横長なのに対し、それ以外は縦長になっています。メッシュパターンによって生まれる面の形はひとつとして同じものがなく、奥行き感も異なっています。

 このデザインはCADモデリングを担当する「匠」と呼ばれる女性デザイナーが緻密な作業を何度もやり直して完成させたもの。なんとグリルデザインだけで半年もかかっているそうです。そしてデザインされた形状があまりにも繊細なので、型づくりも一筋縄ではいきませんでした。最終的に型起こしの匠が自身の経験をもとにひとつひとつ起こしたといいます。グリルだけでもとんでもないコストと工数がかかっているのです。

 さて、そんなスピンドルグリルはレクサスの“顔”として定着しました。ブランドで統一感のあるデザインを採用する手法はBMWのキドニーグリルやジープの7スロットグリル、アルファロメオの盾型のグリルが有名でしたが、国産車では採用されていませんでした。しかし現在ではいくつかのメーカーが統一感のあるフロントフェイスを作っています。

■トヨタ――キーンルック
■トヨタ――キーンルック

 エンブレムを中心にV字形で立体的に外へと広がっていくデザイン。さらに車両の最下部まで開いた台形のロアグリルが組み合わさり、トヨタ独特の表情を生み出しています。(写真はカムリ)

■日産――Vモーショングリル
■日産――Vモーショングリル

 エンブレムを中心に、V字形のグリルを配置。V字はそのままボンネットからリアへと流れていくのが特徴です。もともとはグリル内にごくごく小さくV字をデザインしていましたが、現在はかなり大きく存在感のあるものに進化しています。(写真はGT-R)

■マツダ――シグネチャーウィング
■マツダ――シグネチャーウィング

 肉食獣が獲物をとらえようと体を丸め、前に飛び出そうとする一瞬の姿をモチーフにする魂動デザイン。グリル下部からヘッドライトにかけて、シグネチャーウィングと呼ばれる大きな鳥が翼を広げたような共通デザインが施されています。(写真はアテンザ)

■SUBARU――ヘキサゴングリル
■SUBARU――ヘキサゴングリル

 SUBARUの六角形のグリルには、直線基調のデザインで安心をイメージさせるという意図があります。また六角形はスバルの象徴である六連星も意味しています。(写真はフォレスター)

■三菱自動車--ダイナミックシールド
■三菱自動車--ダイナミックシールド

 三菱自動車の伝統である力強さや速さといった「パフォーマンス」と、人とクルマを守る「プロテクション」を表現したデザインです。(写真はエクリプス クロス)

 このように現在では国産車でも多くのメーカーが統一デザインでブランド力を高める方向になっています。一方でデザインを統一するがゆえに、自分の趣味と合致しないとそのブランドへの興味自体が薄れてしまう可能性も。みなさんはどのブランドの顔が好きですか?

この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

セミナー開催 フェルディナント・ヤマグチ流「部下育成」!

 本コラムの著者、フェルディナント・ヤマグチ氏が「日経ビジネス課長塾オンデマンド」主催のセミナーに登壇します。

 今回、課長塾オンデマンドではあえて、「企業人としてのヤマグチ氏として、登壇してください」とお願いしました。なぜならヤマグチ氏は、「コラムニストとの両立」という多忙な生活を、20年もの長きに渡り成立させてきた人だからです。本セミナーでは、そんなヤマグチ氏ならではの(仕事についての)方法論に迫ります。

 とはいえ講演時間は、わずか1時間。そこで今回は、「部下育成」にテーマを絞って話していただきます。部下やチームのマネジメントにお悩みの方は、ぜひご参加ください!






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