クルマの店で真っ黒なんてありえないだろう


 MINIのブランド戦略は、現在大きな転換点にある。アイコンが変わり、カタログのイメージが変わり、実は店舗作りも変わってきている。ヤンチャからシックに。色のイメージで言うと、黒から白に変わりつつある。カタログは新しくなったら買い足せばいい。名刺も刷り直せばそれで済む。

 だが、店舗の改築となるとそう簡単にはいかない。こちらには莫大なカネがかかる。それこそ何億円という巨額投資が必要になる。ご存知の通り、各地にある店舗はBMWジャパンが経営しているのではなく、地元の企業が経営している。億単位の投資をホイホイとできるような企業規模ではないのである。

 前号の最後の部分では、このようにお伝えした。

生野(以下、生):ジーニアスにしても、お店のデザインにしても、我々に強制力はありません。「こうしていきましょう」とご提案する立場です。でも、それは変えていかないとですね……。

フェルディナント(以下、F):え?どうなるんですか?変えていかないとどうなるの?

:お店もカタログも変えていかないと……。

 今週は、この続きからお伝えしよう。


:お店もカタログも変えていかないと、先々大変なことになる。

F:大変なことに……。

:さっきフェルさんは、「MINIに乗る人はどんな人ですか、トレンドセッターですか?」と聞かれました。確かにMINIに乗る人は元来そうだと言われていました。クラシックミニの時代は間違いなくトレンドセッターが選ぶクルマだったんです。そしてもちろん、今でも我々はそうありたいと思っています。ブランドとしてはトレンドセッターでありたいし、また、そういう人向けに売っていきたい。

 だからCIを変えた、デザインも今まで真っ黒だったのをガラッと白に変えた。15年前にMINIが真っ黒をやり始めたときは、ほかの自動車メーカーから、「クルマの店で真っ黒なんてありえないだろう」ってボロクソに言われたんです。「あいつら日本の自動車販売を分かってないな」、と。でも今を見てくだい。黒が増えているでしょう。

F:あー!◯◯◯とか。黒をマネしてますね(笑)。

マンちゃん:フェルさん!メーカー名を言わない!

担当編集Y崎:大丈夫です。処理しますから。

 この記事が掲載されるときに、どのような“処理”が施されるかは不明だが、インタビューの最中は、無論実名がバリバリに飛び交っている。

F:目黒通りにモデル店舗があるよね。

:ありますね(笑)。あのように、国内メーカーでもインポーターでも、マネし始めたところがいくつかあるんです。復活した当時のMINIは、今よりも少しヤンチャなイメージを売りにしていたのですが、そういうイメージもマネされている。メーカーによっては、もうモデルごと丸々マネしちゃうとか(笑)。まあ我々が「マネ」と言い切っちゃいけないんですが。

F:マネされてこそ一流、とかホンモノとか言いますけど。

:ともかくそうした時代の流れの中で、我々は「もう一歩先」に行く、次の次元に行くというのが、この「白に変えた」、ということなんですね。

F:また何年かしたらマネされますよ。

:そうですね。また何年かたって時代が変わってきたら、その中身を見ながら、その時代を受けて次のMINIはどうなるべきか、という姿を作っていくことになるのだと思います。と、そんな背景をご理解いただいた上で、店舗の話に戻ります。黒から白へ、ガラッとイメージを転換したデザインの店に改装して下さい、という話です。