旭:ウィンカーを出さなければ、車線をキープしようとするので戻りますし、ウィンカーを出して意思表示をすれば、ちゃんとクルマが後方を監視しながら車線変更が可能です。
F:あ、何事もなく車線変更しているようでいても……。
旭:はい、クルマはちゃんと後方の安全を確認しています。安全だから黙っていただけなんですよ(笑)。
F:知らなかった。見られてたのか……。
旭:そういった先進技術をLSに積極的に投入しなきゃいけないということもあって、私がCEにアサインされたのだと思います。
F:なるほど。それで、いかがですか。レクサスの最高峰。センチュリーという特殊なクルマを除けばトヨタの最高峰のクルマのCEを務めるということは。
旭:私がLSのCEを任命されたのは2014年のことなんです。それまではちょうど今年国内発売が始まるレクサスのESをやっていました。
F:昔は日本でも「ウィンダム」として売っていたクルマですね。ESを日本で売って、そのかわりGSがラインナップから外れると聞きました。
旭:それは違うと思います。GSは継続します。
F:ありゃ。ガセネタかな。ともかくLSの前は輸出用のESをやっておられた。
旭:はい。ESをやっていました。そして2014年に、「次は君LSだからね」というふうに言っていただいて……。
震える膝に力を込めて
F:その時はどのように感じましたか。
旭:レクサスフラッグシップの担当ですからね。やはり相当なプレッシャーを感じました。
F:そりゃそうですよね。トヨタグループ全体の金看板の責任者。そりゃプレッシャーがありますよね。
旭:正直膝が震えました。ええ、本当に私にそんな……レクサスのフラッグシップを……下手をすると日本を代表する高級車になるじゃないですか。そんな大変なクルマの開発が、果たして自分なんかに務まるだろうかと、正直不安なところもありました。でも逆に言えば、こんなビッグプロジェクトを任されることなんて、一生に一度あるかどうかも分からない。そうも思いました。
F:そうですよね。エンジニアだからって、誰もが担当できるわけじゃない。
旭:はい。だからもう本当に、これは自分の人生のためにも、そしてお客様のためにも、しっかりハラを決めてやるべきだと決心して、この任命を受けたということなんです。

自分の人生のためにも、お客様のためにも、しっかりハラを決めて最高のクルマを作ってやる。コメント欄においでのトヨタ嫌いの読者諸兄。マツダやSUBARUと比べて、銭勘定ばかりに熱心で、肝心のクルマ作りがお座なりだと批判一辺倒のコメント諸兄。トヨタ(レクサス)にもこんなに熱いエンジニアがおられるのですぞ。
エレキ出身の熱きCE旭さんのお話は次週に続きます。
お楽しみに!
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