「目指したのは、“五感で感じられるクルマ”」

F:なるほど。画面表示をこの燃費インジケーターにしておいて。なるほど。そろそろシメに入らなければならない時間です。最後にひとつお伺いします。新しいプリウスをつくっていく上で、キーワードというのは有りましたか?俺たちはこれを目指そうというキーワードは。

:プリウスはもともとDNAを持っています。それは「環境車」というDNAです。このDNAを踏まえたうえでの今回のキーワードは、「五感で感じられるクルマ」にしようということです。数字で判断するのは燃費だけでいい。他の部分は数字では表すことの出来ない、五感で感じていただきたいんです。

F:五感を……これはまたトヨタらしくない……。

:例えば、まずドアを開けて閉めたときの音。

F:そこは豊島さん。レクサスの、しかもLS育ちなのだからお手の物でしょう。

:そうです、ええ。そこはレクサスから、LSから学んだことをプリウスに存分に注入しました。ですが何しろ重さも大きさも違うクルマですから、それなりに苦労しました。今までバシャーンといっていたのに対して、ボンッという音を出すためにね。

F:前のは安っぽかったですからねぇ(笑)

広報有田氏:安っぽいだなんてそんな……。


 さあさあ、豊島さんインタビューもいよいよ佳境に入って参りました。長く続いたプリウス話も次回でいよいよ最終回です。

 燃費を良くするためには車体を軽くしたい。軽くするには樹脂かアルミです。ところがこの子たちがまた一筋縄では行かないのです。

 次回はそうしたお話にも触れていきましょう。もちろん五感のお話の続きも。お楽しみに!

夏休みにオススメ…したかった、クルマ関連5作品

みなさんこんにちは。編集担当のY田です。

 以下は、読者の皆さんの夏休み向けに、暇つぶしのネタに困った際に思い出していただければ…という程度のゆるい気持ちで私がチョイスした、クルマが重要な役割を果たしている書籍・映画を5作品です。ただ、記事の冒頭でも記しましたが、諸般の事情で公開がお盆休み明けになってしまい…(重ねてお詫びいたします)。ただ、これから夏休みという方もいらっしゃるかと思い、ちょっと賞味期限切れ気味なのですが、そのままご紹介させていただきます。

なお、先にお伝えしておきますが、私がこれまで読了、もしくは観賞したごくわずかな作品の中からのピックアップですので、さして一貫性もなく、確たる選定基準もありません。すいません。

ちなみに、皆さんがおすすめの作品があれば、ぜひコメント欄にご投稿ください。

では、さっそく、紹介に移りたいと思います。

「激突」(スティーブン・スピルバーグ 監督/映画)
これはご存じの方も多いかと。私が初めて見た、スピルバーグ作品です。ストーリーは極めてシンプル。運転中に追い抜いたトレーラーに執拗に追跡される…。だたそれだけ。でもかなりコワイ。こんな簡単な筋書きで1時間半も観る者を楽しませるスピルバーグに感嘆。熱帯夜にオススメ。

「虎口からの脱出 」(景山民夫 著/書籍)
奉天から上海まで、1600キロの脱出劇。デューセンバーグを駆って中国の大地を大疾走、万里の長城の上を走っちゃったりします。映画化されれば是非観たかった…。第5回日本冒険小説家協会大賞最優秀新人賞。ストーリー展開が早く飽きさせないので、短気な方にオススメ。

「気狂いピエロ」(ジャン=リュック・ゴダール 監督/映画)
こちらもご存じの方は多いでしょう。冒頭、主役のジャン・ポール=ベルモンドともう1人の男のアルファロメオ談義があり、そして、ヒロインが運転するのがアルファロメオのブルーのジュリア・スパイダー。アルファレッドではありません。で、あらすじはというと…。触れるのはやめておきます。簡潔明瞭にまとめる自信がないので。話のつながりをさして重視しない、ジャガイモ顔がお好きな方にオススメ。

「流星ワゴン」(重松 清 著/書籍)
登場するワゴンに何かしら特徴があるわけではないのですが…。このワゴン、幽霊が運転し、過去と現在を自由に行き来できます。これも有名作品なのであらすじには触れませんが、ジャンル的には感涙系の家族小説です。クルマ好きでない方にもオススメ。

仕事がうまくいく7つの鉄則 マツダのクルマはなぜ売れる?(フェルディナント・ヤマグチ 著/書籍)
すいません…ベタベタのオチで。当コラムでおなじみの藤原大明神をはじめ、マツダのオモロイ人たちのインタビューを洗い直し、 彼らの仕事に対する考え方や取り組み方を「7つの鉄則」として整理しました。言うまでもなく、マツダ好きにオススメ。

最後の1冊を、ほかの4作品と同列に並べていいのかという声もあろうかとは思いますが、何卒お許しを。

では、夏休みはこれからという皆さん、楽しい時間をお過ごしください!

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。