4代目になり、ついにリッター40キロの世界に突入したプリウス。

 ところでクルマの燃費はどこまで良くなるのだろう。トヨタはエンジン+モーターの組み合わせで、どこまでやっていくつもりなのだろう。

「旧モデルのプリウスでもリッター40キロは軽く出ちゃう」

F:今までのトヨタ式ハイブリッド方式で、つまりガソリンエンジンに加えてバッテリーを積んでモーターを回す方式で、いったい燃費はどこまで良くなるものなのですか。あと何十年かたったら、リッター100キロとかになったりするのですか。

「走り方によって、カタログ燃費以上の数値が出ます」
「走り方によって、カタログ燃費以上の数値が出ます」

:それはとても難しい質問です。クルマそのものの性能ももちろん大事なのですが、燃費って、乗り方で大きく変わって来るので。実はウチ、プリウスカップという燃費競争をやっています。サーキットを平均時速60キロから70キロ位の速度を出して周回するのですが。

F:へぇ。平均70というと結構な速度ですね。誰が参加するのですか。

:トヨタの人間と、販社さんですね。地方の各サーキットを回って。

 え?改造?いえいえ、それは一切認めません。完全なノーマル車で。やっていいのはタイヤの交換だけ、それも特別なものではなく、カタログに載っているタイヤだけです。手を加えるとしたら、走り込むしか無いんですよ。走り込んでタイヤを軽くする。後は空気圧を高くして転がり抵抗を減らす。それくらいです。

F:走り込んでタイヤを軽くするというのは……

:走り込むとタイヤが摩耗するでしょう。そうすると軽くなる。もちろん安全のために溝の深さにも規定を設けていますから、坊主のタイヤは禁止です。

F:わざわざ走り込まなくても、グラインダーか何かで表面を削ってしまえばいいのに。

:不思議なもので、新品のタイヤって削るとダメなんです。削ると表面がネチャネチャしてしまう。だからディーラーの人は、いい具合に摩耗したタイヤを一生懸命見つけてきて、そこから更に走り込んで規定ギリギリの所まで減らして出場する訳です。

 まあ、そんな差は僅かですから、乗り方の上手い下手がモロに効いてきます。そこで燃費運転を競うわけですが、旧モデルのプリウスでもリッター40キロは軽く出ちゃう。あのクルマ、カタログ表示上の燃費は32.4キロです。

F:一般ドライバーにとっては殆ど夢物語であるカタログデータで、リッター32.4キロのクルマが40キロも……そんなに。

:“乗り方”が重要です。クルマは乗り方で燃費が大きく変わります。プリウスの場合は、やはり如何にモーターを上手く使ってやるかで差がついて来ます。それこそ必要の無い場面でエンジンが一回ポンとかかっただけで、燃費はイッキに悪くなってしまう。そうしたらそのレースはもうオシマイ、みたいな。

 ドライバーの体重も効いてきます。優勝するチームの人たちは、減量までしていて、平均体重が五十何キロだそうです。だから僕、乗れないんです。出られないんですよ、そのレースに。体重的に(苦笑)

F:はー。開発責任者なのに…(笑)

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