クルマ同士でカニバってしまう

F:MINIなのにちっともミニじゃない、と(笑)。

:はい(苦笑)。そこで今回試乗していただいた普通のMINIの4枚ドアを出したわけです。

F:なるほど。それで万事解決。本当にミニなMINIもあれば、ジャイアント……とは言わないまでも、すこし大きなMINIもある。

:ところが話はそう簡単ではないんです。これをそのまま出すと、4枚ドアのクルマ同士でカニバって(共食いを)しまうことになる。そこでクロスオーバーの方はよりプレミアム感を高めて、ワンステージ上のMINIにして、内装も豪華に、クオリティーを高めて出すことにしたわけです。今、MINIのラインナップには4枚ドアの付いたものが3モデルあるんですね。それらが絶対にカニバらないようにしなくてはいけないわけで。

F:普通のMINIとクロスオーバーと、あとはクラブマン、か。それは実際に目論見通りに行っているのですか。カニバってはいない?

:おかげさまで実際にうまく行っています。

F:BMW製のMINIが日本で登場してから15年経ち、今回のモデルチェンジで3代目。この新生MINIを3代続けて乗り続けている人はいるのですか?

:正確な数字は出せませんが、結構な数の方がいらっしゃいます。ただ、MINIは今国内で急速に販売台数を伸ばしていますので、ここ3年間くらいは「他社からの乗り換え」という方が多く見えてしまいます。割合から言うとどうしても。

F:なるほど。3代目のMINIにして「初MINI」の人が多いと。

:そうですそうです。最近は初MINIの方が多いです。

F:それは初耳です。なんちってハハハハハ…..

:………

:………

F:………あの、だから初のMINIと初耳を掛けてですね………

担当編集Y崎:申し訳ありません。あとでよく言って聞かせますので。どうぞお話を続けて下さい。

:今までのお客さんは、MINIが欲しくて買いに来るお客さんだったんです。でも例えば、いまクロスオーバーを見に来るお客さんは、もはや目的がMINIではないんですよ。

F:MINIを見に来たのではなく、クロスオーバーというクルマを見に店に来ると。

:そうなんです。明確にクロスオーバー“だけ”を見にお店にいらっしゃる。同じ4枚ドアでも、お店の中に並んでいる普通のMINIの4枚ドアやクラブマンには目もくれません。比較するのは他社のSUV……我々の言うところのSAV(スポーツ・アクティビティー・ビークル)です。

 例えばそれはメルセデスのGLAであったり、BMWのX1であったりする訳です。メルセデスのCクラスなどに乗っていらしたお客様が、「あのクラスのセダンはちょっと大きいや」と。自分も年を取ってきてし、運転もくたびれるので。今度は小さいクルマにしてみようと。でもプレミアム感は決して落としたくないと。そうしたニーズに適合するのがクロスオーバーなんですね。お!これだ!みたいな感じで。

F:なんとなく可愛い。愛嬌がある。というイメージもあるし。

:それがこのクロスオーバーに関して言うと、従来のMINIのイメージを抱いて来るお客さんは少ないんですね。今までのMINIのイメージとは切り離して購入される方が多いです。

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