みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
Cakes連載「フェル先生のさわやか人生相談」200回突破記念イベントの詳細が決まりましたのでお知らせします。
8月6日(日)(今週末じゃないですか!)19時より下北沢のB&Bで。
午後7時から2時間のトークショー。ダルな夏の夜をドカンと盛り上げます!
詳細はこちらです。
フェルディナント・ヤマグチ×林伸次
「“あなたの恋のお悩み、肉食系×草食系の二人が解決します!”
cakes連載 フェル先生のさわやか人生相談」200回突破記念」
ウェブサイト「cakes」で人気の、恋愛系コラムニスト二人のトークショーです。一人は、覆面コラムニストのフェルディナント・ヤマグチさん、通称「フェル先生」。人生経験・恋愛経験豊富で、どちらかというと肉食系のフェル先生の人生相談は、その的確さと、ちょっぴり毒舌な書き口も相俟ってとても人気です。もう一人、渋谷のバーのマスターという立場から、お客さんの人生相談にのり、数多の恋愛ドラマを見てきた林伸次さんは、ボサノバを愛する優しき草食系。タイプは違えど、数々の悩みを解決してきた二人が、それぞれの視点から恋のお悩みを解決するトークショーです。当日ご参加いただいた方からのお悩みも受け付けますので、人生や恋愛でお悩みの方、ぜひお越しください。
当日のお客さまは、cakesの読者が多くなりましょうが、もちろん当コラムの読者も大歓迎です。ご用とお急ぎのない方はぜひ!
週末はツインリンクもてぎでidlers主催の12時間耐久レースに出場して参りました。トライアスロン仲間のポルシェフリーク、丹下大氏にレース車両をご提供いただき、また、プロのレーシングドライバーである植松忠雄氏に腕を貸して頂き、ポルシェチューンの頂点、プロモデットでセットアップをして頂き、丹下隊長のもと、植松氏、古賀功氏、野田泰平氏、末席に私という5人の布陣で臨みました。レースの詳細は来月号のGGで!
ゴール後のピットにて。空冷ポルシェで頑張りました。
土用の丑の日は、人形町の三好でうなぎを頂きました。うなぎが美味しい店は多い。しかしうな重の美味しい店となると、ガクッと少なくなります。どこもゴハンがベシャベシャでイマイチなんですね。その点この店は振るっている。常に炊きたての美味しいご飯を用意しているのです。
うなぎを焼く横で、大きな鉄釜でご飯を炊いています。こりゃ美味しい訳です。
さらにこの店のうな重は、重箱に蓋をせず、もちろん上に重ねることもなく、平置きオープンの状態で運ばれてきます。蓋をしてご飯が過剰に蒸れてしまうことを防いでいるのですね。蓋を開けた瞬間に沸き立つ、うなぎの香ばしい香りとご飯の甘い香りが渾然一体となった「魅惑の蒸気」を放棄してまで、ご飯に拘っているわけです。
人形町三好のうな重。このように重箱に蓋をせず運ばれてきます。クジラの次に狙われるのは鮪だのうなぎだの言われていますが、実際のところはどうなのでしょう。
前号で上げた「これは何の写真でしょう?」。正解者が1名いらっしゃいました。ご名答。エンジンの鋳型です。それじゃこれはお分かりになりますか?某社に次いで某社でもバレちゃって、大問題になっているアレのアレです。無論この会社のアレは問題ありません。
重要部品、アレのアレです。楽器みたいに見えますが、機械部品です。
さてさて、それではボチボチ本編へと参りましょう。今週からお送りするのは、小さな巨人、MINIであります。
大きくなったMINI
MINIが揺れている。
英国のEU離脱により、2019年に生産が開始される予定である電動MINIを巡り、「英国内で作り続ける意味がいかほどであるのか」を測りかねているのである。
現在MINIは全生産台数の内、約7割を英オックスフォードの工場で作っている。ほかの3割はオランダ・ネッドカー社と、ドイツのライプツィヒ、そしてレーゲンスブルクの工場であるのだが、「MINIの完全EV(電気自動車)」は、これら“海外工場”のうちのいずれかで生産される可能性が大きくなっているのである。
EVの心臓部であるモーターは、ドイツで生産することが決まっている。それを“離脱”した英国に持ち込んで車両に組み込んで、再びEU圏に“輸出”するとなると、関税はどうなるのか。全ては税制次第、という訳である。
と……本稿執筆中に新しいニュースが飛び込んできた。MINIのEVが英国内の工場で生産することが決定したようだ。バッテリーと電動パワートレインをドイツのバイエルン工場(BMW eモビリティ・センター)で製造し、それを英オックスフォードの工場に“輸出”して、車両に組み込むことが決まったのだ。現段階では、BMWがいかなる根拠で英国生産を決めたのかは伝わっていない。MINIの記事が続いている間に新しい情報が入ったら、都度報告することとしよう。
「大きくなったなぁ……」。高橋のマンちゃんからクルマMINIを受け取った際、思わず口に出た言葉である。
「実際に大きくなりましたよ。第三世代のMINIの5ドアは、全長が4015ミリ、全幅は1725ミリ。高さが1445ミリもあるんです。BMWやMINIはドアノブなどを工夫して、海外モデルより全幅や全高を小さく抑えることもあるんですけどね」。
マンちゃんはカギを渡しながら、ボディサイズの具体的な数字をスラスラと諳んじて見せた。さすがは専門家である。彼はR時代に、カーセンサー誌で血の滲むような修行を積んでいる。担当したクルマの諸元暗記も厳しい修行の結果であろう。最近はかなり緩くなってきたが、昔のR社はメチャ厳しかったのだ。
ちなみにリクルートの社員は自社のことを「R」と呼ぶ。楽天の社員も自社のことを「R」と言う。両方の社員がいる時は、社章の色から「ウチは青いRです」とか、「ウチは赤Rです」などと言うのである。赤Rの社員は二子玉のコインパーキングで酔って立ちションをしないようにして頂きたい。迷惑である。
「今回の試乗車は、MINIのファイブドアのSDというモデルです。フェルさんは“フツーのディーゼルに乗りたい”、と言っていましたが、前田さん(MINIの広報マネージャー)がどうせフェルさんは飛ばすんだから、こっちの方が良いでしょうと気を利かせて『S』を用意してくれたのです。ですがくれぐれも安全運転でお願いしますよ。インポーターの広報さんに、”どうせ飛ばすんだから“なんて言われるのは問題です」
まったくもって心外である。最近の私は、安全運転のフェルで通っている。だがやはり「S」が冠されるモデルに乗れるのはありがたい。前田さんありがとうございます。
今回の試乗は、自宅から愛知県の蒲郡までのロングドライブである。新しいMINIのディーゼルで、第二東名をかっ飛ば……いやユルッと流して、その真価と進化を確かめてみようと思う。
トライアスロン用の自転車も積める
早朝の自宅。後部座席を倒して貨物スペースを広げ、トライアスロン用の自転車を積み込んだ。蒲郡のトライアスロン大会に出場するのである。長い角の生えたトライアスロン用の自転車も、前輪を取り外しただけで積載可能である。ここでもやはり「大きくなったなぁ……」と嘆息した。
トライアスロンの旅は結構荷物が多くなる。自転車にヘルメットにウェットスーツ。シューズは自転車用とラン用の二種類が必要だ。更にスイム用ゴーグルにサングラスにゼッケンベルトに補給食に空気入れにスペアタイヤに……とやっていると、何かしら忘れ物をしてしまう。
私は過去に前輪を忘れるという大ポカをカマしたことがある。今回の忘れ物は積んだはずだったヘルメットである。幸いなことにトライアスロン仲間の中島資太氏が名古屋からご自身のメットを持参で応援に駆けつけてくれた。持つべきものは頼りになる友人である。
後部座席を倒せば、前輪を外しただけでTTバイクの収納が可能である。今回の忘れ物はヘルメットである。
早朝で交通量の少ない世田谷通り。NHK放送技術研究所手前のガソリンスタンドで軽油を満タンにする。昨日受け取ったばかりで燃料に不安はないのだが、今回は満タン方式で燃費を計測しようと思う。
給油を済ませ、技研の前を左折し、砧公園の信号を左折。公園沿い狭いワインディングを快適に走る。足回りは非常にしっかりとしており、建付けの良いボディはピシリともミシリとも鳴かない。開口部の大きなハッチバックのクルマで、この剛性感は大したものだ。「ちゃんとしてるなぁ」というのが走り出しの感想である。
環状八号線を右折。じきに東名と首都高を繋ぐ陸橋が見えてくる。信号を右折。やや強くアクセルを踏み込み、東名入り口の坂を一気に駆け上がる。グワッと湧き上がるような、重く力強い加速。ガソリン車のようなカーンと切れの良い加速ではなく、モリモリジワジワと力がみなぎりあふれ出てくるような独特の加速。
同じディーゼルでも、私の乗っている力強いけれどもバカ重い(車重2.5トン)加速とも違う。ガソリンエンジンを目指したようなデミオのディーゼルとも違う。これは気持ちが良い。
BMW製の4気筒DOHCエンジンは1995CC。無論コモンレール式の直噴で、可変ジオメトリーターボチャージャーで武装されている。最高出力は170馬力と強力で、最大トルクは360Nmと力自慢である。
同じく「S」が冠されたMINIのガソリンエンジンの方は、最高出力192馬力とディーゼルを22馬力も上回るが、トルクは280Nmと80Nmも劣る。同じ2リットルのエンジンでも(正確に言うとガソリンのほうが3cc大きいが……)、ガソリンとディーゼルにはこれ程の差がつくのである。
BMW製の2リットルディーゼルエンジン。実に力強く気持ちの良いエンジンだ。マツダのディーゼルには至らないが、ガラガラ音も前よりは遥かに小さくなった。
早い時間であるのに、厚木までは思ったよりもクルマが多かった。渋滞にはならないが、気持ちよく飛ばせる環境ではない。流れに乗って、ゆっくりノンビリ流す。新しいMINIはシートが良くなっている。高速を流す時は、少しだけ背もたれを倒してラクな姿勢で運転すると良い。大井松田~御殿場間のような、多少の緊張を強いられる山岳コースに入れば、背もたれを立てる。こうするとクルマの雰囲気自体がガラッと変わるのだ。
御殿場を抜け、ガラガラの第二東名に入る。入ってしばらくすると、覆面パトカー(マークX)の餌食になった哀れなクラウンが停まっている。クラウンがマークXに捕まっているのだ。逆縁とはこのことである。いつかはクラウン。ご愁傷様である。
MINIってこんなに良かったっけ?
前後にはほとんどクルマがいない。第二東名は路肩を広く取ってあり、しかもド直線が続くので、しっかりメーターを確認しながら運転しないと、うっかり速度超過してしまう可能性がある。法定速度は守らなければいけない。遵法の精神でハイパワーのクルマを運転する。
高速安定性はすこぶる良い。加速も力強く実に心地良い。失礼ながら、MINIってこんなに良かったっけ?というのが本当のところだ。せっかくの試乗記なのだから、通ぶって何かケチを付けなければいけない。運転しながらアレコレとイチャモンを考えたのだが、何も思い当たるところがない。大きくなったと言ったって、横幅は1725ミリに収まっている。プリウスより35ミリも小さいのだ。昨今の車体巨大化現象の風潮からすれば、可愛いものである。
自宅から蒲郡の会場まで約300キロ。MINIは長い時間乗れば乗るほど、ジワジワと良さがにじみ出てくるような味わい深いクルマだった。家を出たときよりも蒲郡に到着したときのほうが、往路よりも復路のほうが、よりクルマの印象が良くなっている。
乗れば乗るほど味が出る、噛めば噛むほど味が出る。都こんぶのようなクルマである。MINIはイギリスとドイツ合作の、都こんぶだったのである。
後日、このクルマでツインリンクもてぎに、耐久レースの練習にも出かけて、トータルの走行距離はなんだかんだと軽く1000キロを超えた。満タン方式で計測した燃費は、リッター当たり15.5キロだった。もう少し伸びるかと思ったが、まあこんなものだろう。
MINIでもてぎへも行った。常磐道はMINIの天下だった。
MINIはとても良く売れている。前回お届けしたNOTEオーナーの片田さんではないが、「ガイシャが欲しいけれど、何を買って良いのか分からない。アレコレ悩むのもメンド臭い」という方は、これを買っておけば絶対に間違いない(なんて言うとMINIフリークの方に叱られそうだが)。
MINI。良いクルマです(太田胃散調)。
それでは新型MINIの◯と☓を。
MINIのここが(・∀・)イイ!!
- 優れた高速安定性:三代目になって、ここまでピシッと真っ直ぐ走るようになりました。クルマがちゃんと真っ直ぐ走るのは、実にめでたいこと。
- 怒涛の加速:そこのけそこのけSDが通る。もうディーゼルがトロいなんて言わせない。
- 座り心地が良く、ホールドの良いシート:シートが良いのは意外だった。完全に偏見だが、MINIのシートはサイテーというのが今までの私の印象だったのだ。
MINIのこれはちょっとどうもなぁ….(´・ω・`)
- どセンスな電飾内装:田舎のラブホテルだってもうちょいマシです。
形も大きさもバラバラでも、ひと目で「MINIだ」と分かる
うーん。何か悪く言いたいのですが、これ以上思い当たりません。申し訳ない。MINIオーナーの方。「長く乗っているとここがアカンよ」ということがあれば、コメント欄で教えてください。よろしくお願いします。
それではみなさま、また来週!
みなさんこんにちは。AD高橋です。
現在、新車で手に入るMINIは、ベースとなる3ドアハッチバック、3代目となる現行型でラインナップに加わった5ドアハッチバック、3ドアハッチバックがベースとなるコンバーチブル、ワゴン的な存在となるクラブマン、コンパクトSUVのクロスオーバーの5バリエーションが基本となっています。
形も大きさもバラバラですが、凄いのは、クルマにさほど詳しくない(というか、ほぼ知らない)人でも、ひと目見て「MINIだ」とわかること。これはMINIのすべてのモデルに共通します。
ご存知の通り、現代のMINIは1959年にデビューし、メーカーを変えながらも40年以上生産されたMINI(クラシックMINIと呼ばれたりします)をオマージュしたモデルです。MINIブランドはBMWが1994年にMINIに関するすべての権利を獲得し、現在に至ります。
そしてBMWは上に挙げた5バリエーション以外にも、これまでいろいろな形のMINIを登場させました。今回は現在ラインナップからは姿を消したMINIがどのようなモデルだったかを振り返ってみましょう。
■MINIクーペ
2代目MINIをベースにした2シータークーペ。全高を1380mmに抑えたスポーツモデルですが、2人乗りにしたことで荷室は意外に広く、実用性もあるモデルでした。MINIクーペは2015年まで製造されました。
■MINIロードスター
MINIには初代からハッチバックをベースにしたコンバーチブルがラインナップされていますが、MINIのセカンドジェネレーションには、クーペをベースにしたロードスターもラインナップされていました。コンバーチブルが4人乗りなのに対し、ロードスターは2人乗り。幌は手動で開閉します(一部電動もあり)。ロードスターもクーペ同様に2015年まで製造されていました。
■MINIペースマン
MINIのラインナップの中でも、もっとも個性的だったのがペースマン。初代MINIクロスオーバーをベースにした2ドアモデルで、「スポーツ・アクティビティ・クーペ」と呼ばれました。ルーフが緩やかに傾斜するスタイルはとても優雅。室内は大人4人がリラックスできる空間が確保されていました。日本では2013年に登場し、2016年まで製造されていました。
■ミニクラブバン
初代MINIクラブマンの派生モデルで、シートを前2席にしてラゲッジスペースを広げたバンモデルです。ラゲッジ容量はMINI史上最大の860Lになります。
いろいろなバリエーションがありながらも、すべてが「MINI」であり続ける。今後どんなモデルが出てくるのか、楽しみです。
この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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