クルマが好きな人は多い。
クルマが生活の中心になり、所得の多くをクルマに注ぎ込む人も(昔ほどではないにせよ)少なからず存在する。
だが今回お話を伺った女性は特別だ。何しろ彼女は、「SUBARUが好き過ぎて」、乙女の柔肌に六連星のSUBARUマークを彫ってしまったほどのフリークなのである。
Daniella Maria DaCruz-Becerraさん。ニューヨーク近郊で、SUBARUのアンバサダーを勤める、自他ともに認めるスバリストだ。
インタビュー場所は地元の有力ディーラーであるWorld SUBARUで行われた。
ダニエラさんは、ご主人とともに、この店で今まで何台ものSUBARUを購入している。

F:ダニエラさんはこの地区のSUBARUアンバサダーを務めていると伺いました。そもそもアンバサダーとは、どのような制度なのですか。まずそれを教えてください。
D:この制度は2005年に始まりました。SUBARUのシェアが伸びるのに合わせて人数も増え続け、今では全米で1万1000人がこの名誉あるアンバサダーに認定されています。ええ、勝手にやっているのではなく、SOA(スバル・オブ・アメリカ)の認定を受けてやっているのです。
F:どうしてアンバサダーになったのですか? SUBARUのクルマをたくさん買ったから、「やってみませんか?」とSOAから勧められたのですか?
D:いえ。SUBARUが大好きだから、自分から応募しました。このアンバサダーは誰でもなれるというものではなくて、SUBARUに対する深い愛情とともに、豊富な知識が求められるのです。「好き好き大好き」だけではダメなんです(笑)。私は4年前に申請して、2年間かかって、ようやくSOAから認定されました。
無報酬、審査に2年、それでもなぜアンバサダーに?
F:審査に2年も! それはかなり厳しいですね。
D:SUBARUのクルマを買う人は、購入する過程で、Webでじっくり調べてからお店に来る、という特徴があるんです。でもいくらWebで一生懸命調べても、やっぱり最終的に参考にするのは、実際にSUBARUのクルマに乗っていて、しかもクルマについて正確な知識をもった人からの意見です。詳しい人からの客観的な意見を聞きたい。そういう要求のある人たちに、SUBARUの側から正確にリーチアウトするための手段が、私たちアンバサダーということです。希望すれば誰でもなれるというわけではないのです。

F:これがお仕事なのですか。ダニエラさんはアンバサダープログラムから報酬を得ていますか。
D:いえ。アンバサダーは基本的に無報酬のボランティアです。お金はもらえません。SUBARUのロゴが入ったノベルティ商品と交換可能なクーポンが支給されたり、モーターショーの入場券がもらえたり、新しいモデルが出る際に先行で試乗ができたり、というメリットがあります。
F:金銭的な報酬は得られない。それでは他にお仕事をお持ちなのですか?
D:はい。私は看護師です。他にも少しだけグラフィックの仕事もしています。
F:じゃ、アンバサダーはお金のためではないと。
D:お金が目的ではありません。私くらいの年齢の人で、SUBARUに乗りたいと思っている人はたくさんいます。そういう人に直接会って、SUBARUの魅力を伝えます。そして実際にSUBARUに乗っている人とは、例えば町中ですれ違ったらお互いに手を振り合ったり、サムズアップ(親指を立てる仕草)をしたり、また一緒にBBQをしたり、オーナー同士のつながりがとても強いんです。それはファミリーのような関係だと考えています。
F:アンバサダーはみなさんダニエラさんのように積極的に活動しているのですか。今日こうして我々のために来てお話をしてくださるのだって、大変なお手間じゃないですか。
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