最高速対決をしたら、どちらが速い?

:それはムリです。コントロール系が80キロワットの設定になっているので。ここでご理解いただきたいのは、バッテリーに万一の事があっても、エンジン直で50キロワットの出力が得られるということです。仮にですが、150キロでも走り続けられるということです。

F:リーフとノートで最高速対決をしたら、どちらが速いのですか。

:ギア比で決まってくるので、リーフのほうが最高速は速いですね。実はNOTE e-POWERの方は少しだけローギアードになっているので。モーターの最高回転数は同じ10500回転です。メーター読みで10キロほど違います。

F:NOTE e-POWERが155キロ、リーフが165キロというところですか?

:あくまでメーター読みの話ですが、まあそれくらいです。リーフはNOTE e-POWERのプラス10キロぐらい出ます。それも全てモーターの回転数で決まっちゃっているんで。だからそこまでいくのはビューンといくのですが、あるところでストンと加速しなくなるような感じになるんです。

F:ガソリン車のフューエルカットが効いたみたいな感じですね。

:そうですね。滑らかカットに近い感覚ですね。e-POWERにはタコメーターが付いていないからわかりにくいですが、もしタコメーターがあったら、1万500rpmのところでピタッと止まる。そんな感じです。

F:たとえクルマが壊れちゃっても良いや、ということで、後先を考えずに電気をブチ込んだら、もっとスピードは出るものなんですか。モーターにはかなり余力がありますよね。

:チューニングということですか。それはちょっと難しいです。エンジンじゃないですから、どこかをイジって、あと500回転上げて、最高速トライって訳には行かないんです。モーターの設計の段階で、磁界というか、磁束の関係も決まってしまっていますから、エンジンみたいにチューニングするというのはなかなか難しいんですよ。まあやるとすれば、もともとのギア比をイジることになるのだろうけれども、電気自動車で最高速を上げるって話は、あんまり聞いたことないですね。

F:なるほど。昔みたいにショップの親父さんの職人技で…..という訳には行かないんですね(笑)。

:はい。走り屋の人には申し訳ないんですが、今はそういう感じですね(笑)。

 

 NOTE e-POWERで最高速トライアルに挑もうと思っておられた方は残念でした。チューニングカーのベースには向かないようです(笑)。ということでまた来週!ごきげんよう!さようなら!

 読者のみなさん、こんにちは。AD高橋です。

 ノートe-POWERの開発者インタビューにあたり、フェルさんが試乗したのは「ノートe-POWERメダリスト」と「ノートe-POWER NISMO」。大ざっぱにまとめると、メダリストはノートの高級グレードで、NISMOはスポーツグレードになります。

 多くの人が選ぶ大衆向けハッチバックで、レンタカーでも広く使われるモデルなのに、なぜ高級グレードが設定されているのか。ここにはノートの生い立ちが関係しています。今回はそのあたりをひも解いてみましょう。

 初代ノートが発売されたのは2005年1月。すでに発売されていたマーチより大きなボディに1.5Lエンジンを搭載した世界戦略車として登場しました。

 日産はノートがデビューする4カ月前に、ノートと同じプラットフォームを使い、同じ1.5Lエンジン(1.8Lも設定)を搭載するハッチバックを発売しました。ティーダというハッチバックです。たとえばトヨタのアルファードとヴェルファイアのように、いわゆる“兄弟車”と呼ばれるモデルが販売チャネルを変えて発売されることはありますが、ほぼ同時期にあわや競合してしまうモデルが発売されることは極めて異例のこと。ここには日産の大きな戦略がありました。

 ハッチバックは良くも悪くも大衆車。価格が安い分、装備はどこかチープだったりします。しかし、本当はプレミアムなクルマが欲しいけれど、運転のしやすさや駐車場事情などを考え、仕方なくハッチバックを選ぶ人もいます。ティーダはそんな人たちに向けて、ハッチバックに日産の高級車並みの装備を盛り込んだモデルとして登場したのです。キャッチコピーは「コンパクトがはじめて出会う上質。~Compact meets Luxury~」。当時日産が展開していたSHIFT_ワードは「SHIFT_compact quality コンパクトの質をシフトする」でした。

 ティーダのリアシートには240mmの前後スライド機構とリクライニング機構が備わり、一番後ろまでシートを下げるとシーマ以上に広い空間が現れます。運転席には一部の高級車で採用されていたドライビングポジションのメモリー機能が奢られました。これにはメディア関係者も多いに驚きました。

 快適性を重視した分、ティーダはリアの背もたれを前に倒したときに大きな段差がありましたが(初代ノートはフラットになります)、コンパクトカーに高級感を盛り込むというコンセプトは支持されました。2005年の「新車乗用車販売台数ランキング」を見ると、ティーダが4位、ノートが僅差で5位となっています。

 2012年のフルモデルチェンジで、日産はノートとティーダを統合します。しかしティーダも日本で好調な売れ行きを見せていたので、メダリストという形で高級志向のハッチバックが残されたのです。

 日本でティーダは消滅しましたが、海外では2代目ティーダが発売されていました。実は2代目ティーダはボディサイズが拡大し、全幅が1760mmになりました。全幅が1700mmを超えると3ナンバーになります。3ナンバーサイズのハッチバックは販売面で不利。日本でティーダが発売されなかったのは、このような事情もあるのでしょうね。