布目さんはスーツ姿のまま、実演をして見せてくださった。このクルマに対する、並々ならぬ思いが伝わってくる。

F:なるほど。大変よく分かりました。

:そして、開口部で言うとリアゲートですね。荷室の開口部最大幅は134mm広げました。

F:134mm。つまり左右それぞれ6.7cmもイッキに拡大したということですか。

:そうです。これはかなりデカいです。さらに内面の取り方も極力フラットにしているので、キャディバッグが普通に横積みできます。一方で寸法的には「薄い車体」になっていますから、剛性との両立をしっかり設計の中でやってもらわなければいけないんです。

F:開口部を大きく取ると、どうしても剛性は低くなる。すると何らかの形で補強をしなくてはいけなくなる。補強をすればその分車重は重くなる……。

:その通りです。でもクルマの重量って、そこだけではないので。使うところには使って、削るところは削るというふうにやっていますから。我々は材料置換と言っているのですが、例えばボンネットをアルミにして軽量化を図っています。使う材料を吟味しながら、重量をうまくコントロールしているのです。

新型のリアゲート部分。テールランプの意匠変更と周辺部分の強度アップで開口部が広く取ってある。
こちらは旧型。これが片側6cmの差を生んでいる。

F:このクルマを開発するに当たってのキーワードは何ですか。言葉にすることはできますか。

:クルマに対する考え方のベースの部分は「トラスト・イン・フォレスター」です。
まずは誠実にしっかり作ろうと。

憧れの場所へ冒険に

F:誰に対しての誠実ですか。

:クルマに対して。そしてもちろんお客様に対して。今まで培ってきた信頼はそのままちゃんと維持して、さらにそれを広げていこうと。そしてもうひとつが「コンフォート・フォー・ラブド・ワン」。その人が愛する者に対してコンフォートであること。

F:コンフォート。なるほど。愛するものに対して快適であれ、と。

:そして最後が「ステア・オブ・アドベンチャー」。冒険へ行く。憧れの場所にちゃんとステアしてあげましょう、と。

F:新型フォレスターのキーワードは、誠実、快適、冒険。なるほど。技術解説のプレゼンをされた直後にお時間をいただき感謝いたします。最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

:新型のフォレスターは、先代のいいところをそのままに、より快適に乗っていただけるようなパッケージングで作っています。例えばドライバーモニタリングシステム(運転者の顔を認識し、シートポジションや空調の設定、さらには居眠りの警告などを行う)……アメリカではドライバーフォーカスと言っていますが、こういったシステムを使いながら、より安全なクルマに仕上がっています。そういったところを、ぜひ日経ビジネスオンラインの読者の方にも体感していただけると嬉しいです。

F:長時間ありがとうございました!

いや、クルマを作るのって大変ですホント。

 以上で発表直後を撫で回しながらの慌ただしいインタビューは終了した。自らサイドシルに上がり、新型の優位性を実演して見せる姿には脱帽した。

 エンジニアが心血を注いで作ったフォレスター。アメリカではどのように売られているのだろう。次号ではSUBARU米法人の経営トップにお話を聞く。

 それではみなさまごきげんよう。