今回は、前号で予告した中村知美SUBARU新社長(注:正しくは社長兼CEO=最高経営責任者。取材当時は専務執行役員)への緊急突撃インタビューをお届けする。

 このインタビューは、6月20日の新型フォレスターの発表会直後、いわゆる「囲み取材」の後に行った、文字通りの独占インタビューである。

 公正を期すべき企業の広報部が仕切る新車発表の会場で、なぜこのような特例が生まれるのか。それは不肖フェルがマムシのようにシツコイからである。囲みが終わり控室に戻ろうとする中村さんを追いかけて、「5分だけ、5分だけお時間をください!」と食い下がり、ムリヤリお時間をいただいたからである。

これがいわゆる「囲み取材」である。本職の記者の方がバシバシ質問して、とても素人が入り込める雰囲気ではない。

 ここまでシツコクするにはもちろん理由がある。

 “こんな時期”にSUBARUの大特集を始める前に、同社のトップが何を考え、これからSUBARUをどのようにしていきたいのかをどうしても聞いておく必要があるからだ。
 そうでないと、全てが醜い提灯記事に見えてしまう。

みなさんマジ真剣。フェル出る幕なし……

 以下、中村新社長の突撃インタビューである。

会場裏の廊下で呼び止めた

F:中村さん。中村専務。少しだけお時間をいただけませんか。自分、日経ビジネスオンラインで自動車の記事を書いているフェルディナント・ヤマグチと申します。

 囲み取材に丁寧に対応した後、暗く照明が落とされた廊下を歩く中村新社長の背中に、無礼を承知で声を掛けた。

 私の後ろには、担当編集マイトのYと、高橋のマンちゃんがいかにも申しわけなさそうに立っている。

 「フェルさん。お約束通りお時間はいずれお取りします。ですので今日はひとつ……」

 顔見知りのSUBARUの広報が、やんわりと制止する。

 「悪いね○○さん。すぐに済むから。いま5分だけ時間を作ってくれない?」
 「し、しかし……」

 躊躇する広報部員。当然の反応だ。
 彼らにはメディア間の公正を図り、また社員をガードする義務がある。

 「近々、中期経営ビジョンを社長自らが発表します。それまでお待ちいただけませんか?」 
 「ごめん、それまで待てない。今日この場で聞きたい。だって来週月曜日は次の記事が出るんだから」
 「そんなムチャな……」

 こんなやりとりをしていると、中村氏は「それじゃお答えできる限りで……」と踵を返してくださったのである。