カイエンだと『何なのアイツ』って感じになる

:そう。レクサスだと、何となく雰囲気的に葬式に乗って行くのが容認されるんですよ。それが同じSUVでも、カイエンだと「何なのアイツ」って感じになってしまって。

F:なるほど。安全で快適で荷物も入って葬式にも行ける。これは気が付かなかった。でも日本で乗る限りは、重要なファクターですよね、実は…。

:そう。レクサスに乗って葬式に行くでしょう。そしてお焼香の列に並んでいると、結構声をかけられるんですよ。年配の人に。「あのレクサスは君の?レクサスってどうなの?」と。

F:ははぁ。焼香の列で…。

:で、焼香が終わって部屋へ通されるじゃないですか。友人、知人がわっと集まっていて、鮨とか出てくる部屋。

F:はい。精進落しと言うのでしょうか。

:あそこへ行くと、どう?と聞かれる。年配の方はみんなやっぱりレクサスに興味があるみたいで、一人が聞き出すと、どうなのどうなのと人が集まって来て(笑)。

F:レクサスの営業は葬式を狙え、と(笑)。ところで川田さんが買われた1台目のRXには、どれくらいの期間乗られたのですか?

:8年ですね。8年12万キロ。2台持ちで、一時期は3台あった頃も有りますから、結構な距離でしょう。

F:8年!余程RXが気に入られていたのですね。

:いや、特別に気に入っていたというよりも、他に欲しいクルマが無かったのです。マンちゃんが知っていますが、僕は今までのクルマのほとんど全てを、一回目の車検で買い替えて来ましたから。RXに乗っていたときも、常に次のクルマは探し続けていたんです。でも結局はこれを凌ぐクルマが出てこなかった。快適で安全で、ワンボックスみたいなファミリーカーじゃなくて、しかも冠婚葬祭の場に乗っていっても失礼に当たらないようなクルマとなると。

F:他のSUVはどうでしょう。例えばAudiのQ7とか、BMWのX5とか。所謂RXのライバルと目させるクルマは検討なさらなかったのですか?

:ハナからリストに入れていませんね。やはり輸入車は冠婚葬祭の場には似合わないです。特にご年配の方は、「チャラい外車になんか乗って来てなんだ!」というような人が本当にいますから(苦笑)。

マンちゃん:冠婚葬祭にフィアット500Cで行っちゃう僕はどうしたらいいんでしょう……。

F:冠婚葬祭ってよりも、身長2メートルのマンちゃんがフィアットに乗ってる姿のほうがおかしいよ(笑)。

:2メートルも無いです。(本当は187.6センチ)

:クルマの性能もさることながら、やっぱり日本で乗るにはとても都合が良いんですよ。ベンツやBMWだと、やっぱり「儲かってるねキミ」って話になってしまうので。レクサスだと、決してそういう話にはならないので。

 レクサスは、「そういう話」に、つまり「レクサスなんかに乗りやがって。儲けやがって」とヤキモチを焼かれる対象になりたいのだろうか。ブランドとは、そうした一種“イヤらしい部分”も併せ持つものだと思うのだが、どうなのだろう。

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