同じ看板なのに味が違っちゃいけないな

F:ははあ。レクサスであれば、大型セダンの「LS」でも、SUVの「RX」でも、そして例え小さな「CT」に乗っても「レクサス感」を味わえるという。

:その通りです。それが「ブランド」というものではないのかなと思います。例えばレストランで、ある名前でチェーン展開をしている店があるとしたら、そこに行けば必ずこういうメニューがあって、味はこうで、という約束が有りますよね。それぞれのお店の味が、みんな違うと困ってしまいます。同じ看板なのに、味が違っちゃいけないな、と僕は思っています。そういうことを僕らは追求し続けないといけないのかなと。

F:確かに。チェーンで同じ味を提供するのはお客との「約束」そのものですものね。渋谷の塚田農場と六本木の塚田農場の味が違ったらイヤだもの(笑)。

マンちゃん:なんで塚田農場なんですか。

F:昨日行ったからさ。山内農場じゃないよ。塚田農場ね。似ているけど、あれはモノがぜんぜん違うから。

:そこで何を約束するのか。何をブランドとして追求するのか。たった今僕らが取り組んでいるのはエクスペリエンス・アメージング(Experience Amazing)です。「驚きの体験」。社内では「想像を超える驚きと感動をお客様に提供することを目指す」という目標を掲げています。

 レクサスを選んでいただいたからには、やっぱりお客さまの想像を一歩も二歩も飛び抜けなければいけないんです。「レクサスの味」というお客様のイメージがあって、僕らはさらにその上を行きたい。ああ、買ってよかった。こんな装備がレクサスにはあったんだ。こんなふうにレクサスは車体が動いてくれるんだ。こんな体験をしてもらいたいんです。今後の自動運転もそうですね。レクサスである限り、やはりお客様の想像を超えるレベルで提供したい。

F:自動運転。レクサスも自動運転をやるんですか?

:そりゃもうこういう時代ですから、やらないわけにはいきません。ただ、自動運転と一言で言っても、実にいろいろな自動運転がありますからね。どんなシーンでどう動くのか。

F:セレナだって自動運転ですからね(笑)。

:ええ。まあ……あれは自動というかね(苦笑)。

F:あれは自動運転とは呼べませんか?レクサス的には。

:いやまあ他社さんのことはちょっとアレなんで…。自動運転と一言で言われても、自動運転のあり方っていっぱいありますから。例えば運転中にドライバーに何を許可して、何を許可しないのか。自動運転中、どんなことをお客様に享受していただきたいのか。それでクルマ造りのコンセプトそのものが変わっちゃうと思うし。

 クルマの挙動にしたって、「自動でレーンチェンジします」といっても、いかにスムーズに、お客様に不安感を与えずやれるかというのは技術の競争です。みなさん一言で「自動運転」と言って下さいますけど、周りの人から見たらみんな一緒なんでしょうけれども、そこに求めていく性能や技術は、やっぱりレクサスにしなければいけないんです。

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