ブランドは約束だ
F:たくさんいいお話をうかがいました。最後は「ブランド」についてお聞きします。先程から何度もブランドという言葉が出てきましたが、クルマにとって「ブランド」とは何ですか?何となくこんな…というのではなく、明確な言葉としてお話いただけるキーワードはありますか。
加藤さん(以下、加):僕は「約束」だと思っています。
F:約束?誰との約束ですか?

加:もちろんお客様との約束です。レクサスに乗れば必ず享受できるもの。それは走りだったり、乗り心地だったり、静かさだったりするのですが、これらの要素を間違いなく提供できます、というお客様との約束ができなければなりません。僕らはそれをQDRと言っています。
F:QDR?これは何の略ですか?
加:「quality」のQ。これは品質ですね。Dは「durability」で耐久性。そしてRは「reliability」の頭文字で、信頼性のことです。
F:ははあ。品質と耐久性と信頼性でQDR。なんかものすごくトヨタっぽいですね。
加:これはコーポレートとしてトヨタが持っている基本的な部分です。コーポレートとして持っているものは、トヨタもレクサスも一緒です。ですが、トヨタブランドではなく、レクサスを買っていただいたときに、お客様が感じていただけるものは……
F:一歩先と言うか、一段上質というか。
加:QDRがベースにあって、レクサスに乗ると…何というか、目をつむってクルマに乗ることはないですが、仮に目をつむって運転したとしても、ブラインドテストをしたとしても、このステアリングの重さだとか、このアクセルの感じだとか、あ、これはレクサスだよね、と分かるような。
F:黙って座ればピタリと当たる。占いのようなクルマですね(笑)。
マンちゃん:茶化さないで下さい。全然意味が違いますよ。せっかく加藤さんがいい話をしているのに。
加:ははは。でもそんな感じです。黙って座ればレクサスと分かるような。要するにお客さまは「レクサスってこうだよね」というものを期待しているわけです。レクサスを買うとこうなる。レクサスってきっとこうだよね。それはLSでもRXでも同じです。同じレベルで分かっていただける。
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