クルマを所有しなくたっていい

河口:それはそれであると思うんです。ただ、さっきのアルファロメオの話じゃないですけど、それがどんなクルマだったかよりも、どんな思いができたかが重要で、所有することよりも体験の方がやっぱり重要ということじゃないですか。

フェル:まあ、そうですね。

河口:そうすると「モノ」より「コト」の方がやっぱり重要というか。こういう時代にあっては、所有するまでもなく、レンタカーでもカーシェアでも、それで楽しい思い出ができればいいと思うんです。

フェル:成果物は同じですものね。

河口:そうなんです。極論すればクルマは別に何でもいいというか。たとえ個人の所有物でなかったとしても同じような成果は得られる

フェル:確かに、確かに。

河口:それを、合理的というのかどうか分かりませんが、いまはそういう考え方をする人も相当数いると思います。やはりクルマってお金が掛かる。

 フェルさんみたいにメルセデスのGクラスを現金でぼんと買える人はいいと思いますけれども、月3万円のローンがあって、1万5000円の駐車場代と1万円の保険代があって、税金があって、ランニングコストがあってとなると、クルマ好きならまだしも、そうでない人にとっては結構苦痛な気がするんですね。

フェル:そんな金があるんだったら別のものを買おうとか、旅行に行こうとか。都内で生活していくなら、毎日タクシーに乗ったほうが安いくらいですよね。

河口:はい。まあ、僕が言ったら本当に元も子もないんですけれども(笑)

 それでも、そういう現実があるということは忘れちゃいけない気がしています。今、自動運転などの技術革新が話題になっていますが、都市でのクルマのあり方を考える場合には何よりもまず、カーシェアのようなものが主流になっていくのかなという感じがします。そこはやっぱり常に気にしていなきゃいけないと思うんです。

フェル:さすが、ジャーナリスト。考えていますね。