:はい。ただし残したハリアーは2.4リッターと3.5リッターV6のガソリンエンジン、そしてハイブリッドで、当時我々が3代目として出した、いわゆる「RXとしてのRX」はV6エンジンです(後にハイブリッドと2.7リッターを追加)。ハリアーはもともと2.4リッターとV6の2本立てです。ちなみに2.4リッターは国内でしか売ってないエンジンです。

F:エンジンが違うとは言え、当時は「どうせ中身は同じクルマだよね」と言われてしまいました。実際にそれが理由で忌避していたお客さんも多かったと思います。どうして中身が同じハリアーを残し続けたのですか。悪く言われる声は、当然トヨタにも届いていたと思うのですが。

:クルマ自体の完成度が高いし、新しいし、ハリアーはとても人気があったんです。ですから当然、国内のトヨタブランドとしてハリアーを残したい、という販売店さんからのご意見が大きかったんです。

F:あ、なるほど。ディーラー網が……。トヨタは国内販社がとても強い力を持っているから……。

:長らくトヨタブランドを愛してくださっているお客さんは、やはり尊重しなければいけません。ちなみに、ハリアーというクルマは、あくまでもレクサスRXとして開発したクルマです。当初はそれをハリアーとして販売したのです。国内では当時、まだレクサスブランドがなかった訳ですから。

F:しょうがなくやったと(笑)。

:まあ、あの……しょうがなくと言われてしまうとアレなんですが……(苦笑)。

新コーディネーター高橋満:ちょ……フェルさん。失礼ですよ。少しは言い方を考えてください(汗)。

旧担当Y田:ああもういつもこんな感じですよ。じきに慣れますから。はっはっは。

新担当Y崎:…………。

 引き継ぎのために取材に同席されている前任者Y田氏。晴れてお役御免となり高らかに笑い声を上げている。一方で終始うつむき加減の新担当Y崎氏。トヨタ東京本社の会議室では、明暗のコントラストがクッキリと浮かび上がる。人生いろいろ、仕事もいろいろである。

:初代からRXとハリアーの根っこは一緒です。販売も同じタイミングで行っています。ただし、当時国内ではレクサスというブランド展開をしていませんでしたから、LSがセルシオとか、ISがアルテッツァとかトヨタの名前を付けて売っていた訳です。我々の中でハリアーというクルマは、あくまでも「レクサスのクルマを国内に展開する上での名前」という位置付けだったんです。

F:なるほど。ハッキリおっしゃいますね。

:ただし、ハリアーという名前で売るものですから、レクサスでこだわってきたパフォーマンスに対して、国内のお客さんのニーズを考えると、4発エンジンがあっても良いよね、ということで、初代から国内だけは直4のエンジンを持っている、という格好です。