これで最後、今度で最終回と(まるでスティービー・ワンダーの最終来日公演のように)言いながら、延々と続いて来たGT-R田村さんのインタビュー。これでもかなりオイシイ部分を切り捨ててお伝えしているのだ。
本当はテープからオコした文章をそのままナマでお届けしたいくらいなのだが、それでは私の役目がなくなってしまう(それに田村さんのお立場も危うくなる)。最後の最後は、前回書きかけたポルシェとの比較から始めよう。
「あのクルマは本当に凄い。最高のスポーツカーなんだ」

F:ちなみに、GT-Rがポルシェ911ターボと真剣勝負をしたら、どちらが速いんですか。
田村さん(以下、田):また嫌な質問をするんだな。
F:これはコンプラにも触れませんよね。
田:この話をするのであれば、本当に正確に書いてもらいたい。とてもセンシティブな問題だから。
F:わかりました。
田:ポルシェ911ターボは決してバカにしちゃいけない。あのクルマは本当に凄い。本当によく出来た、最高のスポーツカーなんだ。
F:へぇ。驚きました。田村さんなら「ポルシェなんて楽勝でブッちぎってやるぜ」、くらい言うのかと思っていました(笑)。
田:俺がそう言えば、物書きフェルとしてはウケが取れて良いんだろうけどさ(笑)。
F:やはりお立場上言いにくいことなのでしょうか。「会社員としての田村さん」としては。
田:違う。立場とか関係ない。今から話すことは、エンジニアの田村として、また走り屋の田村として言うことだ。
F:はい。
田:まずスタンディングスタート。これをやると、やっぱりまだ負けちゃうと思う。ポルシェ911ターボのSには。
F:あれ。でも0-100km/hのテストデータだと、コンマ1秒GT-Rが勝っていないですか?
田:それだって路面のコンディションによる。計測した場所だって気温だって違うのだから、まったくのイコールコンディションじゃない。俺がこんなことを言うのはアレなんだけど、そんな数字にはあまり意味がない。
F:はぁ……。
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