古いカタログの写真を、表紙にペロッと貼っただけ

F:ずいぶんおおらかですね。そこにはどれくらいの応募があったのですか?

:2輪、4輪、汎用を含めると800点ぐらいと言っていたかな。その内の半数。400がクルマだったと聞いています。

F:ひょえー!いきなり400を10に絞ってしまう!その審査は誰がするんですか?

:誰なんですかね。実行委員というのが一応いるんですけど、それが誰かは分かりません。

F:なるほど。匿名委員会ということですね。

:いえ。委員の名前は書いてありましたが、見ていないです。興味無いし。社内の偉い人じゃないのかなぁ。

F:そんなテキトーな……。何人くらいで選考しているのでしょう。

:いや、知らないです。そもそも受かるとも思っていなかったので、誰がやるとか何人で選ぶとか、まったく興味がありませんでした。

選考委員が分かっているのなら、その顔ぶれを見て今まで携わってきたクルマの傾向を読み、それなり対策を打ったりしないものだろうか。この辺りは「21歳のイマドキの若者」(当時)というところなのだろう。

F:企画はどのような形で提出されたのですか?

:何でもアリですが、そこだけは規定があって、一応A4の紙4枚という取り決めがありました。絵でも図面でも文章でもグラフでも何でも、何を入れてもA4の紙4枚に収まっていればそれでいい。

F:超シンプルですね。みんなそこにパンパンに書き込むわけですね。

:はい。でも僕は、クルマの内容自体は2枚しか入れていないんです。まずパッと目を引く表紙が1枚。そこにモンキーの写真を使いました。

F:ホンダのモンキー?クルマの企画書にバイクの写真を?

:僕はこのクルマはモンキーみたいなものかなと思っていて。その写真には女の子が凄く楽しそうにモンキーに乗っているシーンが写っているんです。古いカタログのその写真を見付けて来て表紙にペロッと貼って。

これが、椋本さんの企画書にペロリと貼られてしまった、モンキーの古いカタログ写真
これが、椋本さんの企画書にペロリと貼られてしまった、モンキーの古いカタログ写真

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