「外には言ってない。言っても誰にも刺さらないし。」

:今回のフェルちゃんの取材では、「プレミアムとは何か」と言う話をしたい。人間がオギャーと生まれてから、思春期に恋もして、青春期にはワーワーキャーキャー騒いでバカもやって、人生いろいろ、紆余曲折を経て、漸くGT-Rという1つの結論に辿り着いた。それでも何かが足らずに悩んでいて、一方で自分は年老いていくわけで、若いモンには負けるし、どうやって人生を収めていくのかと。何か1つの領域を、キッチリ理解して説明が出来るようなオヤジになるという事を夢を見るんだよね。

 スカイラインの歴史観を延々と話したのはそういう理由からなんだ(「フェルちゃん、あの時は結構グサッと来た…」参照)。だってスペックの話から入ったら、あなた570馬力だ300キロだ2.9秒だスゲースゲーで話が終わっちゃうでしょう。GT-Rは確かに速いんだけど、絶対値だけ見て評価をして欲しくない訳よ。

 プレミアムってすごくステレオタイプなキーワードで、表層的には豪華な内装だとか、柔らかな乗り心地だとかが取り上げられるんだけど、人生観とかも含めて、本当の意味でプレミアムって何だろうね、という話をしたいわけ。上質な乗り味。同じ高さの山なのに、そこに辿り着くまでの線のヒゲが取れて、うんとスムーズになっているよね、と。

F:うーん、人生観とか言われても、深過ぎてよく分かりません。

:今回の試乗で、ヨコに女の子を乗っけてくれたのは本当に良かった。またその子が首都高でグースカ寝てくれたのは本当に良かったと思う。だって新しいGT-Rの良さが一番現れている話だもの。新しいGT-Rにはノイズキャンセラーを付けている。

F:あの、逆位相の音をスピーカーから出してノイズを軽減するシステム。GT-Rにですか?

:そう、今年のモデルから付けている。より静かにするために。

F:それは外に言っていることですか?

:言ってない。言っても誰にも刺さらないし。

F:いやそれ超刺さりますよ。GT-Rにノイズキャンセリング。俄には信じ難い話です。

:そう(笑)。それじゃもうひとつ。フロントガラスにはラミネート材を挟んでいる。最近はどんなクルマでも、同じような材料を衝突時の飛散防止を目的として入れるけど、このラミネートの目的は吸音なんだ。ピークの気持ち悪い音をカットする効果のある素材を選んで入れてある。かなり面倒くさいことをしているんだけど、誰も書かない。

 みんなに説明したけど、誰にも刺さらないから書いてくれない。だからもう説明するのはやーめたというのが本当のところ。

F:GT-Rのフロントガラスに吸音材。これはオモロイ。刺さります。グサッと来ます。ああ、今日ここへ来て本当に良かった。

:やっぱりあなた変わってるよ……(笑)

 いよいよ佳境に入って参りました。GT-R田村さんの取材を超えたクルマ談義。

 次のクルマの試乗も終わってしまったので、次回でなんとしてもクロージングに持って行きます。次世代のGT-Rはどうなるのかも、もちろん質問しています。お楽しみに!!