GT-Rの取材に来たのだが、日産のクルマ作りや、日産に対する“世間の風当たり”の話に集中する田村さん。GT-Rの話は、「いろんなメディアに同じような話をしているから、もうフェルちゃんには良いでしょう」、とまで仰る。いやまあそうは言ってもですね、私もこのまま手ブラで帰ったのでは読者諸兄に面目が立ちません。少しはGT-Rの話を聞いて行きましょう。

「何が一番違うのか?」一言では言い表せない

F:先程田村さんがいらっしゃる前に(田村さんは緊急の海外テレカンが入ってしまい、30分ほど遅刻をされたのだ)、柳井さんからGT-Rの直進性が、17年モデルになって格段に向上したというお話を伺いました。私もこれは本当にそう思っていて、高速をストレス無く飛ばすことができる、また飛ばしても疲れない。高速走行に於いて、これは大きなアドバンテージであるなと感じていました。

 ここまで大きく進化した最大の理由はどこに有るのですが、従来モデルと比べて、どこが一番大きく変わったのですか。

田村さん(以下、田):クルマの走りが変わるのは、ものすごく多くの要素の組み合わせの結果なんだ。クルマの走りというのは、ものすごく複合的なものだから。

 「何が一番違うんですか?」と言われても、残念ながら、こちらでございます、とパッと答えることは出来ない。何か一言で言い表したら、それはそれでキャッチーで良いのだろうけれども、そんなのはまやかしに過ぎない。可能なら複合的な話をさせてもらいたい。そうしたら、ある程度の答は出せると思う。

F:ああもういくらでも仰って下さい。新聞や雑誌じゃありませんから、文字数も記事本数も関係ありません。いくらでも書きますから。

:ところで、いったいどういう仕組みになっているの。日経ビジネスオンラインは。そうは言っても本数だって制限があるでしょう。

F:制限は本当にありません。私の心に刺されば延々と書く。そうでなければすぐ終わる。それだけの話です。

:なるほどね。それじゃジックリ行こうか。まず1つ目はボディ剛性。少し難しい表現だけど、ボディ前後の剛性値を同じぐらいにすると、サスペンションのセットアップの自由度がうんと広がる。

F:2016年までは、ボディの前部分の剛性が不足していたんですよね(「その時代にできるギリギリのところまでやる」参照)。