「NSXの在り方は正しいのかもしれない」

:言いたいのは、スカイラインはスカイラインで、GT-Rとは違いますと。でも作っている人たちは同じで、DNAは間違いなく受け継いでいますと。例えばステアリングを切った時の挙動とか、人車一体感と言うのかな、その辺の感覚は、すごくスカイライン的に作っているんですよと。

F:GT-RにスカイラインのDNAは受け継がれていると。

:それじゃ今のスカイラインとGT-Rは、いったいどういう関係にあるのかと。現行スカイラインは、Q50をスカイラインとして作っている。一方でGT-Rは、昔のスカイラインGT-Rのイメージを大切にして作っている。古いと言われれば確かにそうなのかも知れないけれど。

F:昔のGT-Rのイメージを引きずって……いや、継承していると。

:うん。だからNSXの在り方は正しいのかもしれない。だって、誰も分からないじゃない。誰も評価ができていないじゃない。今までの評価軸でジャッジしようとしているからさ。

 何もない全く新しい世界にNSXをポンと置いて、さあこれはどうだと言ったら、あっちが新しくて、GT-Rはダメという評価が出るかも知れない。自動車の評論って、そういうところあるから。

F:うーん。僕はまだNSXに乗っていないので何とも言えませんが……。

:フェルディナント・ヤマグチは、独自の視点で、自分の意見で決めているでしょう。あなた他の人の評論とかまーったく読んでいないでしょう。だから俺は面白いなと思っているわけ。だからあなたには長い時間を取って、GT-Rとは何の関係もない話を延々としている訳。普通だったら絶対話さないよね。歴史観とか、そんなものは。

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 なかなか具体的な開発の話になりませんが、田村さんの特出話が面白過ぎるのでどうにもなりません。

 次号も田村さんの怪気炎が続きます。お楽しみに!

スカイラインはいま

こんにちは、ADフジノです。
GT−R田村さんのインタビュー、またまた長くなりそうな様相を呈しております。

さて、今回の話の中で田村さんが「現行スカイラインは、Q50をスカイラインとして作ってある」とお話しされてますが、そのあたりよくご存知ない方のためにちょっと補足説明をしておきます。

このQ50というのは正確には「インフィニティQ50」というモデルです。インフィニティは、トヨタとレクサスの関係と同様、日産の高級車ブランドであり、1989年に北米市場で設立されたものです。レクサスのように、日本にも独立したブランドとして導入するという噂もありましたが、いまのところ実現していません。

前回の田村さんの話にも出ていていたR34型の時代まではスカイラインは国内専売モデルでした。GT-Rも同様で、この時代までは“スカイラインGT-R”だったわけです。そしてこの代でいったんGT-Rは生産中止になります。

一方で、スカイラインの歴史は続いていきます。ただし、生き残っていくために国内専売をやめてグローバルで通用するモデルへと大きく変貌を遂げたのが、R34の次期型となるV35型でした。日本国内では、エンジンが直6からV6になったことや、スカイライン伝統の丸型4灯テールランプが廃止されたことで、かつてのスカイラインファンには不評だったようですが、海外では、インフィニティG35として販売されヒット作となりました。

そして2014年に発表されたインフィニティQ50が、日本国内ではV37型となります。スカイラインとしては13代目のモデルですが、これまでと異なるのはフロントグリル内のバッジが日産のものから、インフィニティになったこと。この理由に関しては諸説あり、またさまざまな意見があるようですが、田村さんの話にもあったようにスカイラインはファンが多いクルマなだけに判断が難しく、ここで深追いするのはやめておきます(笑)

北米で販売されているインフィニティQ50
日本で販売されている、現行型スカイライン。フロントのバッジがインフィニティマークになっている

2007年、いまに続くR35GT-Rは“スカイライン”の冠を外して登場します。こちらもドメスティックカーからグローバルカーへという意図が込められたものでした。では、GT-Rはクーペですから、インフィニティはセダンのみかといえばもちろんそうではありません。インフィニティは高級ブランドとして、「Q60」というクーペを発表しました。そして実はこれ、国内でも“スカイラインクーペ”として販売される予定です。

インフィニティQ60、日本ではスカイラインクーペとなる予定。生産はすでに昨年後半から開始されており、作っているのはGT-Rと同じ栃木工場という

そして先日行われたジュネーブショーでインフィニティQ60をベースにした刺激的なコンセプトカーが発表されました。「プロジェクト ブラックS」と名付けられたこのモデルは、ルノーF1チームと共同開発したハイブリッド・システムを搭載。F1で用いられるERS(エネルギー回生)技術を応用して電動ターボ化、3リッターV6ツインターボエンジンは最高出力が25%高められ約500馬力を発揮。この技術はルノーF1のエンジニアとインフィニティとで市販化に向けさらに開発が進められているといいます。

次期型GT-Rにはこの技術が採用されるのでしょうか、妄想が膨らみます。さて、気になる次期型GT-Rの話、フェルさんは田村さんに切り込めるのでしょうか? 乞うご期待です。

インフィニティQ60をベースにしたコンセプトカー「プロジェクト ブラックS」