「お前らは、もうスカイラインじゃないから出入り禁止だ」って

F:NSXには乗られましたか。

:もちろん乗っているよ。かなり早い段階から乗っている。まあ他社サンのクルマの評価をこのフェルちゃんのインタビューでするのもナンだから、ウチの話に戻すけど、ウチだって最初のR32のころのクルマが完璧かと言われると、とても「はい、そうです」とは答えられない仕上がりだった。

 それを時間をかけて、じっくり育てていった。GT-Rだって、R32のGT-Rから数えると、都合28年もかけて熟成してきたのだから。

F:スカイラインのGT-Rと、いまのGT-Rは分けて考えるべきなのですか。現行のR35になってから、GT-Rはスカイラインの冠を外しましたよね。これはもうスカイラインとは別のクルマですよ、と。

:うーん。俺はスカイラインがどうとか、GT-Rがこうとかいう事にあまりこだわりは無いんだ。それよりも、クルマとしてどれだけ素晴らしいモノになるかという事が大事なのであって、出自なんて関係ない。

 最高の商品を、ベストのクルマを作り込んでいって、それが最後にスカイラインGT-Rなのか、ただのGT-Rなのかという議論に対しては、「あっそう。ふーん」ぐらいにしか思わない。そうですか、そっちで行くんですか、みたいな。

F:その辺りはどうなのでしょう。「スカイライン」という冠にこだわる人は少なからずいるでしょう。クルマが良ければどうでもいいじゃん、という人もいれば、連綿と続くスカイラインの歴史をなんと心得る!という伝統主義のお客もいそうです。とくにスカイラインには。

:それは両方いるから何とも言えない。俺の考えだけが正しいんだと、無理やり押し付けるつもりも無い。R35になってスカイラインの冠が取れたって、それはそれでリスペクトしまっせというスタンスだね。

スカイラインの冠を外した「R-35」
スカイラインの冠を外した「R-35」

F:田村さん的には名称はどうでも良いと。中身で勝負だと。

:俺はね。でもこだわる人はこだわる。R35はもうスカイラインじゃないんだから、お前らはスカイラインのところに来るんじゃねぇ、とか言われたこともある。

F:ま、マジすか……。

:「プリンス&スカイラインミュウジアム」というところでね。お前らはもうスカイラインじゃないから出入り禁止だ、と。

F:恐ろしや。殆ど宗教論争の世界ですね……。

:それが今年、「来てもいいよ」と言ってくれて。また行ってもいいことになった。

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