このクルマの最大積載量は500キロもある。そもそも自重が2トン以上、そこに5人の大人と500キロの積荷を載せた車両総重量は2855kgと3トン近くになる。その重みに耐えられるよう、後輪の板バネは5枚もある。しかし、このままでは空荷の時にポンポンと尻が跳ねてしまう。

 1人乗りの完全な空荷状態で、なぜ少しも尻が跳ねないのか。なぜかくも乗り心地が良いのか。実はこの板バネ、荷物を載せない通常時は3枚だけが働いており、荷物を載せて荷重が掛かると、残りの2枚も押し付けられて働き出すのである。軽ければ3枚、積み荷が重くなればその重みで4枚、5枚と増えていく。さらに最大荷重時は5枚のバネが密着するから、ひとつの「塊」となってバネレートはいよいよ向上して重さに耐える、という仕組みである。なるほどうまくできている。

後輪のリジッドサスペンション。板バネが5枚重ねられている。
後輪のリジッドサスペンション。板バネが5枚重ねられている。

ETCの自動音声にドキッ

 せっかくのハイラックス。せっかくだからスキーに行こう。

 高速道路の走行も快適で、乗用車感覚で運転できる。車高が高いので横風の影響を受けやすいが、ワンボックスよりはマシだ。飛ばすとさすがに騒音が大きくなってくるが、そもそもがシャカリキになって飛ばすクルマではない。高く眺めの良い運転席に座って運転していると、「のんびり行こうぜ」という気持ちになってくる。高速の出口。ETCのゲートを通過する際に告げられる自動音声の料金がいつもと違う? アレ、こんなに高かったっけ?

 そう。こんなに高いのだ。ハイラックスは1ナンバー登録。首都高は普通車と同額だが、NEXCOの高速道路は些か高くなる。高速を多用する人は多少の覚悟が必要だ。

 スキー場までの道は折からの晴天続きで、完全にドライの状況だった。いい写真が一枚も撮れない。大枚を叩いて高速に乗ったのに、何ということだろう。

 だがしかし、天は我を見放さず。日頃の善行の賜物だろうか、帰京した翌日、東京に何十年ぶりという大雪が降ったのである。会社から帰宅し、自宅前の道路の除雪を済ませてから、深夜零時のスノードライブに出かけた。あたり一面に、東京とは思えぬ雪景色が広がっている。

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